「母のような境遇の女性の力に」“弱者に寄り添う弁護士”寺原真希子さん 幼少期に経験した父親の壮絶DV【令和の寅子たち(2)】
ところが、理系が得意だった彼女は、高校卒業後、東京大学理科二類に進学。医者になることも考えたという。だが……。
「やはり弁護士になって、母のような境遇の女性の力になりたいという思いが強くなり、大学3年から法学部に転部しました」
■自分らしく生きられない人を助けたい
寺原さんが人権擁護の問題に取り組む背景には、母親のように“自分らしく生きたいけど生きられない。そういう人たちを助けたい”という信念が根底にあるのだ。
現在、彼女のライフワークともいえる「選択的夫婦別姓訴訟」と「同性婚訴訟」の取り組みを本格的に始めたのは、2010年に独立してからだ。
「2011年に『選択的夫婦別姓訴訟』が提起され、弁護団に入りました。同年に性的マイノリティの問題に関心を持つようになり、2012年、全国の弁護士会の中で初めてLGBTQ+のためのプロジェクトチームを立ち上げ、シンポジウムを開催するなど活動を始めました」
2019年2月、同性婚訴訟が始まって以降、社会的に大いに注目されるようになってきている。
「裁判所は社会の関心の高さ、国民の意識などを考慮します。同性婚訴訟はあと2年ぐらい。今年3月に提起した第3次選択的夫婦別姓訴訟については4~5年後に、最高裁で判断が出ると思います。