海上自衛隊で女性初めての“海将”になった近藤奈津枝さん 本誌に明かした「入隊を母に大反対された過去」
海上幕僚長の意図取りをしつつ、海上自衛隊の将来、例えば、体制、備えるべき機能や能力、人材の育成等のあり方に対して、責任を担っている階級であると思う》
今回のインタビューに先立ち、予備取材のための質問をいくつか送ったところ、激務のなかA4用紙17枚にも及ぶ詳細な文書回答を寄せてくれたのだ。
「通常、部下に草案を書いてもらったりするものですが、この回答はほぼすべて私が書いたものです」(近藤さん)
取材場所はいわゆる“基地”、そして文書回答が“である調”だったため、記者はインタビューに臨むにあたって、極度に緊張していたのだが……。
「この前、女友達とゴルフに行ったのですが、(クラブハウスの)オムライスが3千円ですよ!」
「若い人についていくため、最新の曲を覚えています。最近は、あいみょんが好きで、昨日もカラオケに行ってきました」
実際に会ってみると、庶民的で気さくな女性だったのだ。近藤さんは大学卒業後に中学校の臨時教員を経て、海上自衛官に転身、という異色の経歴を持つ。長い自衛隊生活のなかでは、女性ならではの苦労もあったはずだ。
だが近藤さんはそんな苦労を感じさせない笑みを浮かべ、甲板から、眼前に広がる海や、背後にそびえる釜臥山を見やった。