海上自衛隊で女性初めての“海将”になった近藤奈津枝さん 本誌に明かした「入隊を母に大反対された過去」
キャプテンを務めていたときに『あんな厳しい人にはついていけない。頭がどうかしている』と、高校、大学時に2度も後輩たちに部活をボイコットされてしまったのです」
進学した山口大学のハンドボール部は無名だったが、近藤さん入部後、中四国学生ハンドボール選手権では最強のチームと呼ばれるまでに成長した。
「まずまずの結果を出しました。だから将来は教師になってハンドボール部の顧問になり、全国制覇したかったのです」
そのために大学卒業後は中学校の国語の臨時教員となった。
「小さな島にある、小中学校が同じ校舎の小規模な学校だったので、専門の国語以外に数学や家庭科も教えていました。子供たちは本当に純粋で素直でかわいらしかったです」
しかし教員採用試験に合格することはできなかった。
「一般的にも2度、3度と挑戦することが普通だったので挫折感はありませんでしたが、“自分には向いていないのかな”という思いが湧いてきたのです」
ちょうどそんなとき、市役所で自衛官募集のパンフレットを目にし、応募したことから人生が大きく変わる。
「正直、自衛隊に対する知識もありませんでしたし“国防を強く意識して入隊した”ということではないのです。