「第2子を諦めた」「視覚障がい者が道を歩けない」…都民の生活を破壊する「羽田新ルート」
飛行機の音で、近づいてくる自動車や自転車の音が聞き取れず、接触したり、ひかれそうになったことが何度もあります。飛ぶ日が事前にわかっていれば、外出を避けるなどができるんですが、風次第ということなので……。外出先でひとたび飛び始めると、まるで真っ暗闇に突き落とされたようになるんです」(港区在住60代女性)
音に敏感な乳児や、音を頼りに生活をしている視覚障がい者ほど、顕著な影響を受けているのだ。
■人口密集地で東京タワーより低空を飛行
ルート直下の品川区民で、「羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会」共同代表の秋田操さん(85)は、騒音被害についてこう語る。
「南風のときは15時から19時まで、最大で1時間あたり44本の旅客機が上空を低空飛行しています。こんな人口密集地上空を飛ぶなんて、世界でも前代未聞です」
秋田さんが自宅周辺で測定したら、77デジベルあったという。これは、幹線道路近くの自動車騒音なみの数値だ。「とくに南風の多い夏場は窓を開けていることも多いので、飛行機が上空を飛ぶたびにテレビの音や電話の会話が聞き取りにくい。
ものすごく威圧感もあります」
品川区の大井町や天王洲アイル付近では、上空を飛ぶ旅客機の高度がわずか300メートル。