自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」“注意点”を荻原博子さんが指摘

国は4月をめどに、高齢者の住宅の耐震改修を後押しする施策を始めます。その際活用されるのが「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージとは、自宅を担保にお金を借りて、死後に自宅を売却して融資額を一括返済する仕組みで、金融機関が窓口です。多くの場合、対象は高齢者で、生前は利子を返済するだけ。負担が少なく、自宅に住み続けられることがメリットです。契約者が先に亡くなっても、配偶者が死ぬまで自宅に住める契約も増えています。
リバースモーゲージの目的は老後資金の補填や、医療や介護の費用、住宅の改修費用などが一般的です。ただし、今回の国の補助策は住宅の耐震改修費用に限って、契約者が70歳以上なら利子の全額を、60~69歳なら利子の3分の2を国が補助するものです。
つまり、70歳以上なら生前の返済はなし、60~69歳でも月々の返済を3分の1に抑えられます。
2024年1月の能登半島地震で倒壊した住宅は、石川県で11万3千120棟にのぼります(2025年2月12日、石川県)。日本建築学会によると建物の全壊は、1981年以前の旧耐震基準では5割近く、その後2000年までの新耐震基準では4棟に1棟、2000年以降の現行の耐震基準では全壊と半壊を合わせても1割未満(2024年6月)。耐震基準による被害の差は明らかです。
とはいえ、耐震改修をしたくても資金面で厳しい方もいます。特に高齢者の住宅は耐震化に遅れがあり、補助策を設けたのでしょう。
■不動産評価額の低下で融資額が上限を超えると超過分の返済も
ただリバースモーゲージには注意点があります。
まず、リバースモーゲージは利用できるエリアや物件などに条件があります。
誰もが利用できるものではありません。
次に、自宅を売却して返済するため、子どもらに家を残すことはできません。相続人の意向を確認してください。
また、リバースモーゲージの融資額は不動産評価額の5?7割程度といわれています。融資を受けている途中でも定期的に不動産評価額を見直し、評価額が下がると融資の上限額も下がります。融資上限ギリギリまで借りていた場合、不動産評価額の低下で融資額が上限を超えてしまうと、なかには存命中に超過分の一括返済を求める金融機関もあります。
金利変動もリスクです。金利が上がれば生前の返済額が増えるからです。
国の補助があれば無利子や低利子になりますが、金利が上がっても補助されるのか、補助額の上限なども確認してください。
死後の精算時に債務が残った場合、「リコース型」だと相続人が返済しなければなりません。相続人に債務が及ばない「ノンリコース型」を選びましょう。
リバースモーゲージは、金融機関によって融資の条件や金利などが千差万別です。今回の補助策も選択肢の一つとして、さまざまな方法をじっくり比較し検討してください。
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