90歳の節目に、次世代に向けたメッセージを発信――美輪明宏さん語る“人生がうまくいく人”の共通点とは?
(写真:御堂義乘)
「本年の5月15日に私は90歳になりました。昭和10年生まれですから、昭和は100年、私は90年ということになります。振り返れば、さまざまなことを体験してまいりました。第二次世界大戦、長崎の原爆投下、ホームレス、シャンソン歌手、同性愛公表、大バッシング、要注意歌謡曲指定人生を左右する大きな出来事に直面するたびに、「負けてなるものか」と歯を食いしばって乗り越えてまいりました――」
そう語るのは、今年90歳を迎えた美輪明宏さん。節目の年にあたり、未来を担う世代へ向けたメッセージ本『令和を生きぬく貴方たちへ未来世代が輝くミワちゃま語り20』を出版した。
美輪さんは私たちが生きるいまの現代を「何かと不寛容で不確実」と表現する。そんな時代だからこそ、自らの人生の経験を、しなやかに生きるヒントとして役立ててほしいという願いが新刊には込められている。
美輪さんのメッセージのなかから、“人生に活路を見出すためのカギ”について語られたものをご紹介――。
■
対人関係がうまくいってない人はたいてい、喜怒哀楽をあまり顔に出したがりません。表情が乏しく、暗くよどんだ顔つきをしている。そんな顔をしている人とお近づきになりたいと思いますか?
誰も話しかけてこないから、無表情な人は孤立しがちです。だから、恋愛もうまくいかない。友達から食事や旅行にも誘てもらえない。些細なことですが、それが積もり積もると、自暴自棄な人生を送ることになりかねません。どうすれば人生を謳歌することができるのでしょうか?
答えは簡単です。いつもニコニコして、ほほ笑んでさえいれば、人生はおのずと開けていきます。
学校で先生に叱られても、ブスッとふて腐れるのではなく、「わかりました。次はしっかりやります」とニッコリしながら言えば、先生も「この子は見どころがあるな」って思うものです。
家でお母さんに買い物を頼まれたときも「はい」ってニッコリしていれば、それだけで親子関係は円満になる。ただニッコリするだけ。たったこれだけのことをやるだけでいいのです。ところが、それをできない人が多すぎるのです。ほんとですよ。ほほ笑んでいる人を嫌いだという人なんていませんから。
私は90年間の人生でいろいろな人を見てきましたが、人生がうまくいった方の顔はみんな笑顔です。いつもほほ笑んで過ごせれば、必ず活路が見いだせる。
問題が起きても、ほほ笑んで考えるのと、泣きそうな顔をして考えるのとでは結論が違ってきます。ほほ笑みはプラス思考になるからポジティブな発想ができるのです。
そして余裕も生まれます。そうすると解決を早める知恵も浮かんでくるのです。
貴方もほほ笑みを絶やさない人生を送ってください。きっと、すべてがうまく好転すると思いますよ。
『令和を生きぬく貴方たちへ未来世代が輝くミワちゃま語り20』(光文社)より抜粋