「なりすましの悪用懸念も」荻原博子が苦言…“マイナ保険証”推進のウラで国民の周知なく進んでいた“トンデモ施策”
経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部)
マイナンバーカードを搭載したスマホで受診できる「スマホ保険証」の利用が9月19日から始まりました。国はマイナンバーカードの進化を喧伝しますが、裏ではあきれる事態が起きています。
2024年12月2日に紙の保険証の発行が終了し、有効期限が来たものから使えなくなりました。自治体は、国民健康保険加入者のうちマイナ保険証を持つ人には「資格情報のお知らせ」を、持たない人には「資格確認書」と、分けて発行するのが原則です。
しかし、東京都世田谷区や渋谷区などはマイナ保険証の有無に関係なく、一律で資格確認書を発行。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度も、申請不要で資格確認書を一律配布しました。保険証に代わる書類が乱立する状況です。
いっぽうでマイナンバーカードにはカード本体に10年、電子証明書に5年の期限があります。
カードの交付は2016年、ポイントが付くキャンペーンは2020年9月に始まったので更新のピークはここ3年。2025年度に2千780万件、2026年度は2千20万件、2027年度は2千810万件が更新予定です(2025年4月末時点、総務省)。
更新は自治体の窓口に出向かねばなりません。忙しくて更新できない人やポイントが付かない更新を無視する人、更新が必要なことを知らない人など、マイナ保険証があっても使えない人、それに代わる書類がない人が出てきました。
そこで厚生労働省は6月27日通達を出しました。有効期限が切れた保険証やマイナ保険証を持つ人に送られた資格情報のお知らせだけを持ってきた患者も、当面の間受診可能にするというものです。
これまでお粗末な施策はいくつもありましたが、今回はレベルが違う、あってはならない施策だと思います。さらにひどいことに、通達は医療機関などにこそっと送り、国民には周知がありません。
何も知らされていない国民は、期限切れの保険証をそのまま捨てる人もいるでしょう。それが拾われて“なりすまし”に悪用される恐れがあります。また、期限切れの保険証そのものや画像の売買などが起き、偽造保険証が闇で売られ、第三者の受診に使われる可能性も。
なにより怖いのは、自分の医療情報になりすまし犯の情報が混在することです。たとえばなりすまし犯の薬物アレルギーの情報が交ざっていたために薬が使えず、助かるはずの命が助からない危険性があります。命に関わる問題です。
期限切れの保険証が使えるのは2026年3月末までの予定ですが、更新ラッシュは3年間続きます。こんなばかげた“暫定”措置などせず、紙の保険証の廃止をやめれば、すべての問題は解決します。
私たちも、保険証は期限が切れていても大切なものだと、認識を改めましょう。期限がきたらハサミを入れてから捨てるなど管理を徹底。「3万円で買い取る」などの詐欺行為に加担してはいけないと、肝に銘じておきましょう。
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