「ええ加減にせえよ」とヤジにブチギレの過去も…維新・藤田共同代表 記者の名刺晒し、逆ギレ会見の“横柄対応”で株が大暴落
日本維新の会・藤田文武共同代表(写真:時事通信)
自身の公設第1秘書が代表を務める会社にビラ等を発注していたとして、“公金環流疑惑”が日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版(11月2日号)で報じられた日本維新の会・藤田文武共同代表(44)。11月4日の記者会見で疑惑を釈明したが、会見で見せた“ふてぶてしい態度”に冷ややかな視線が注がれている。
同紙によれば、藤田氏側は’17年6月から’24年11月にかけて、自身の公設第1秘書が代表を務める会社に「ビラ印刷費」などの名目で約2000万円を支出。このうち9割以上が「旧文通費」などの公金で、同秘書には会社から年720万円の報酬が支払われていたという。
“身内への税金還流疑惑”が急浮上した藤田氏だが、会見では「仕事の質、スピードともに信頼できる発注先として業務上の合理性がある」「法的にはどこから切り取っても適正」と違法性がないことを主張。そのいっぽうで、「今回の報道を受けて、皆さまの、特に日本維新の会に求める『疑念を持たれることはするな』というお声を真摯に受け止めて、今後は当該企業には発注をしない」と明言していた。
疑惑に正面から向き合った藤田氏だが、記者との質疑応答ではところどころ苛立ちを感じさせるような場面も。
例えば、ある記者からビラ等の作成について“秘書の業務としてではなく、秘書の会社に発注したのはなぜか”と質問された際のこと。
藤田氏は「秘書が全部デザインをして、全部の作業をしてるわけじゃない」と前置きし、会社の従業員やフリーのデザイナー等の人員を介するビラ等の作成は“工数がかかる作業”であることから「トータルとして発注をしている」と説明。
さらに“よくある話”として、顔をしかめながら「『秘書やったらチラシすぐ発注してできるやろ』みたいな話あると思うんですけど、デザイン業務舐めすぎですね。ハッキリ言って」「無形の付加価値を提供している業者さんを馬鹿にしすぎた議論だと思います」と不快感を示していた。
「他の記者からの追及にも『何がおかしいんですか?』『それはあなたの感想であって、一般的な商慣習というのを全く知らないだけ』という風に、相手をやり込めるような発言が目立ちました。また、藤田氏は取材を申し込まれた『しんぶん赤旗』日曜版の記者の名刺を、ネット上で公開しています。会見でもこの件に関する質問が寄せられましたが、藤田氏は記者の携帯電話番号とメールアドレスのドメインを消したことを理由に『それ以外の番号は公開情報』と主張。投稿を削除しない意向を示していました。同紙を『共産党のプロパガンダ紙』と表現するなどかなり憤りを感じている様子でしたが、会見を見ていた人たちのなかには、藤田氏の露骨な態度に不快感を抱いた人も少なくなかったようです」(WEBメディア記者)
そんな藤田氏は5日に更新したXでも、自身の会見を取り上げたメディアに《昨夜のいくつかのテレビ局の編集は偏向報道そのもの。
悪意か無知かわかりませんが、一般的な商慣習も基礎知識も無視した恣意的な内容》と苦言。投稿には“具体的事例”として、4日の放送内容を公開した『報道ステーション』(テレビ朝日系)のYouTubeチャンネルのURLも添えていた。
■昨年の衆院予算委員会では、ヤジに対して「ええ加減にせえよ」とブチギレ
こうした藤田氏の一連の言動に、Xでは《逆ギレ&上から発言で驚いた》《ほんとに酷い》《かっこわるすぎる》と批判が相次ぐ事態に。なかには《キレてばっかりいるね》《国会での暴言》と指摘する声もあり、“かつての激昂姿”を思い出した人もいたようだ。
というのも、藤田氏は’24年1月に開かれた衆院予算委員会で、質問中のヤジに一喝したことがあったのだ。
当時は岸田政権下で、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑が拡大。衆院予算委員会の質疑では、党の幹事長だった藤田氏が非公開とされている政策活動費の使途等について岸田文雄元首相(68)に質問。そのなかで、次のように指摘する場面があった。
「(政策活動費の)使われ方はおそらく2種類なんです。1つ目はおそらく陣中見舞とか政治活動とかに現金をばら撒いてるんじゃないかというひとつの疑惑、そういう使われ方ですね」
だが、藤田氏がこう発言した途端、後方から「馬場さん(当時の日本維新の会代表)もやっている」とヤジが。すると、藤田氏はすぐさま斜め後ろを振り向き、ヤジを飛ばした人物を指差しながら「馬場さんやってないからね」「いらんこと言うなや、ホンマ」と反発。その後、前を向いたものの、もう1度振り返って「ええ加減にせえよ、ホンマ」と“捨て台詞”を吐いたのだった。ヤジに猛反論した藤田氏に委員長が「静粛にお願いします」と注意していたが、委員会室にはピリピリと緊迫した空気が漂っていたという。今回の“公金環流疑惑”をきっかけに、藤田氏がヤジに言い返す場面を切り取った映像がXで投稿されるなど再燃しているかたちだ。
ほんのひと月前には自民党との連立政権構築に向けて奔走し、一躍脚光を浴びた藤田氏だったが……。ある全国紙政治部記者は「政治家としての資質が問われかねない」と指摘し、こう続ける。
「会見で藤田氏は“公金還流疑惑”の正当性を訴えた上で、今後はビラ等の作成を秘書の会社に依頼しないと誓いました。ですが今回の件を受けて、維新の吉村洋文代表(50)は党の内規を変更する方針を提示。維新では3親等内の親族に対する公金支出が禁じられていますが、今後は政治家本人や秘書が代表を務める会社も対象に入るそうです。
『しんぶん赤旗』の報道は藤田氏にとって不本意だったようですが、政権与党入りを果たした政党の共同代表であることから報道内容は極めて公益性が高いといえるでしょう。“身を切る改革”をスローガンに掲げる維新では、自民党との政策協議で提示した12項目の条件のなかに企業・団体献金の禁止も盛り込み、国民から高い期待が寄せられていました。
そんな重要な協議を矢面に立って進めてきたのは、他ならぬ藤田氏です。スピード感のある彼の交渉手腕を支持する声もあり、吉村氏に次ぐ“党の顔”のイメージも定着しつつありました。しかし、せっかく株が上がっていたにもかかわらず、“公金還流疑惑”報道をめぐって喧嘩腰な振舞いが悪目立ちしてしまったのはもったいないように思います」
騒動をきっかけに、国民からの“見られ方”も研究すべきなのかもしれない。