光熱費が簡単に浮く!節約アドバイザーに聞いた「大掃除でやるべき7つのこと」
きれいな自宅と節約でうれしい新年を迎えよう(写真:nonpii/PIXTA)
物価高騰が収まらない。2025年10月の消費者物価指数は、気候の影響を受けやすい生鮮食品を除いた総合で、前年同月比3%の上昇。
2025年は年初から3%前後の物価上昇がずっと続いている。
「食品も日用品も何もかも値上がりして、家計は火の車よ」と嘆く人も多い。
価高騰対策として、高市早苗首相は、ガソリンの暫定税率の廃止と電気・ガスの補助を打ち出している。補助は、2026年1~3月の3カ月間で7千円程度になるようだ(11月21日、経済産業省)。
「国の補助で家計が一気に楽になるかというと、そうではないでしょう。これから行う大掃除のついでに“ひと工夫”すれば、光熱費を抑えることが可能です」
そう話すのは節約アドバイザーの和田由貴さん。
光熱費の削減効果は今回の国の補助の2倍以上、年約1万5千円という。家計を守るひと工夫を教えてもらおう。
「家庭で電力消費がもっとも大きいエアコンから始めましょう。エアコンが効率よく作動するためには室外機まわりとともに、フィルター掃除が重要です」(和田さん、以下同)
フィルターがホコリで目詰まりを起こしていると、電気効率が落ちるのだという。
「フィルターは大掃除だけでなく、月1回程度の掃除が必要ですが、年990円の節電効果があります」
大掃除でフィルターの隅々まできれいにすれば、次からは掃除機でホコリを吸う程度で済むそうだ。
「せっかく部屋を暖めても、窓から暖気が逃げていくのがもったいないです。大掃除で窓を拭いた後、断熱シートを貼りましょう」
建材メーカーのYKK APによると、冬は52%の熱が窓から逃げていくという。断熱シートで暖気の流出を防げば、年1千650円の光熱費が削減できる。
あるいは、カーテンと窓ガラスの間にビニール製の断熱カーテンライナーを取り付けるのもよいそう。100円ショップで購入できるシャワーカーテンで代用する手もあるが、断熱カーテンは長めに床に垂らして使うと効果的だ。
「すき間風はドアの足元からも入り込みます。ドアを掃除したついでに足元のすき間を埋める『ドラフトストッパー』を取り付けて、すき間風を防ぎましょう」
すき間風をシャットアウトすれば、寝る1時間前にエアコンを切っても部屋の暖気は保たれるそう。
「毎日1時間エアコンの運転時間を短縮できれば、年1千260円の節約になります」
リビングの床掃除の際、ソファなどを移動させる人も多いのでは。
「電気カーペットを使っているなら、床に断熱マットを敷いてから、電気カーペットを置きましょう。大きな家具を動かす大掃除は絶好のチャンスです」
電気カーペットの熱が床に逃げるのを防ぐことで、設定温度を「強」から「中」に変えても十分に暖かい。しかも、設定を変えるだけで年5千770円もの節電効果があるという。
やらない手はない。
■冷蔵庫の整理、設定温度の見直しで年約3千円の節約
「次は、家庭での電力消費が2位の冷蔵庫を見直しましょう。気温が低い冬は食品を一時的に冷蔵庫から出しても、すぐに傷むことはないでしょう。この機会に賞味期限などをチェックして、冷蔵庫内の断捨離を行ってください」
冷蔵庫は詰め込みすぎると、電気代が高くつく。庫内にあるものを半分程度に減らして、冷気の流れをよくすると、年1千360円の電気代が節約できるという。
「冷蔵庫を掃除したら、設定温度も見直しましょう。冬季は『中』でOK。『強』から『中』に変えるだけで年1千910円の節約です」
実は、蛍光灯の製造や輸出入は、2027年末で終了することが決まっている。
今後はすべての照明をLEDに切り替えねばならない。
「年末の大掃除で、照明器具を掃除して蛍光灯を買い替える人も多いと思います。ですが、製造中止の影響もあって、蛍光灯はかなり高騰中。反対に、LEDの照明機器は値下がりして、8畳用が3千円程度から購入できるものも。今年は器具ごとの買い替えで楽に節電効果を得ましょう」
蛍光灯からLEDに切り替えると、年2千108円の節約になるうえ、LEDランプは10年もつといわれる。10年間ランプを交換しなくても済むのはかなりお得だ。
「ほかにも電子レンジの庫内や、ガスコンロの炎の出口であるバーナーキャップの掃除もおすすめです。加熱効率が上がって、調理時間を少し減らせることで、光熱費の節約につながります」
毎日の節電効果はわずかでも、チリツモで積み上げることが大切だ。
光熱費を節約し家計を守るため、大掃除をがんばろう。