国光外務副大臣 “デマ”発言で厳重注意後初のSNSは「平常運行」の開き直り…“説明ナシ”に「更迭すべし」と疑念の声
国光文乃外務副大臣(写真:時事通信)
12月16日、尾崎正直官房副長官(58)は記者会見で、木原稔官房長官(56)が同日に国光文乃外務副大臣(46)に対して“厳重注意”を行ったと明らかにした。その発端は、国光氏がネット番組で発した“デマ”だった。
6日にYouTubeで配信された経済メディア『ReHacQ』の動画で、国光氏は東日本大震災後の厚労省職員時代、立憲民主党・小西洋之参院議員(53)の質問通告に応じる中で、「10分しか持ち時間がないのに50問ぐらい聞かれた。子育てができなかった」などとし、「それでやめた女性官僚はたくさんいる」と発言していた。
立憲は15日、国光氏が述べた内容が事実無根だとして自民に抗議。尾崎氏は会見で、国光氏が15日のうちに発言を撤回し、小西氏に対して直接謝罪したと説明し、「国光大臣には引き続き今回の注意の趣旨をしっかり踏まえて職務を果たしてもらいたい」と述べた。
尾崎氏によると、小西氏に「謝罪文」を渡したという国光氏。事実に基づかない発言は、政党、国会議員個人に対する世間の信用を失墜させかねないものであり、ほどなくして国光氏は国民に対しても何らかの説明をするのかと思われたのだが……。
なんと、国光氏は17日までにXのアカウントを削除したのだ。
国光氏の事後対応に業を煮やした小西氏は、17日にXで《国光あやの外務副大臣のSNS番組での私への事実無根の誹謗中傷による名誉毀損事件ですが、本人から国民の皆さんに説明があるものと考えていました。しかし、逆にXを閉鎖したようです。現職の副大臣の余りにも無責任な対応に驚きましたが、やむを得ず本人が私や自民党に提出した文書を公開いたします》と切り出し、受け取った謝罪文を公開。そこには、以下の国光氏の言葉が綴られていた。
《このたびは、当方の事実関係が不確かな記憶に基づく発言により、ご不快の念及びご心労をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。 「役人時代に 10 分しか持ち時間がないが 50 問位聞かれた」「子どもは 2 歳ぐらい、子育てができなかった」「それで辞めた女性官僚はたくさんいる」「事実ですから」は、事実関係が不確かな記憶に基づく発言であり、現在において事実ではないとの認識にあり、撤回し、謝罪申し上げます》
小西氏は、《私は当時、厚労省に大震災関係で質問通告を一切しておらず、この発言内容の全てが完全な事実無根です》と説明。《私は発災直後から、復興特委の理事として、復興特区法や原子力損害賠償支援機構法の立案等に従事しており、厚労省へのすさまじい業務妨害となる10分で50問(1問12秒)の質問通告などする訳がありません》と国光氏の発言を完全否定した。
なお、国光氏が今回のように事実に基づかない発信で野党を批判したのは、今回が初めてではない。それは11月初旬、高市早苗首相(64)が国会答弁の準備のため、午前3時に公邸入りしていたことが大きな話題を呼んでいた頃だった。
「高市首相は当初、官僚が作成する答弁書が午前3時ごろに出来上がるため、それに合わせて公邸に入ったと明かしていました。この“早朝出勤”に世間では体調を心配する声が多く上がっていましたが、国光氏は11月8日のXで《午前3時に高市総理の出勤が必要なのは、そもそも『(特に野党の)質問通告が遅い』からです》と説明。質問通告は質疑の前々日の正午までという、いわゆる『2日前ルール』を持ちだし、それを野党が守っていないと責め立てたのです。
国光氏の投稿が注目を集めたことで、最大野党の立憲に対する批判が噴出。ただ、’99年に与野党が決めた質問通告の2日前ルールは’14年に『速やかな質問通告に努める』と変更されているため、そもそも現存しない。木原官房長官は11月10日の会見で、《前々日の正午までという質問通告ルールが続いていることを前提としていた時点で事実誤認》とコメント。
当時の、国光氏はXで《質問通告のルールについての発言は慎重であるべきでございました》と謝罪していたのですが……」(政治部記者)
《また「デマ」で人を貶め、それが発覚し問題になるやいなやアカウントを削除して逃亡って。こんな外務副大臣、はじめてみたぞ。高市内閣、腐りすぎ》
《国光あやのは更迭すべし。デマで外交問題に発展したら大変だから》
《国光あやの。日本外交の中枢にいるのはちょっと危険ですね。さっさとクビにした方が良いんだけど、相変わらず自民党執行部は行動遅いね。議席減るぞ?》
《誇張したとかじゃなく、全く事実無根の事を普通に公で言ってる人が大臣って、めちゃくちゃ怖いんだけど。。》
そんななか、国光氏は18日にインスタグラムを更新。
厳重注意を受けてから初めての更新だが、投稿は自身が事務局長を務める議員連盟の会合レポートで、《日本の医療のために全力で頑張ってまいります!》と意気込んではいたものの、番組発言に関する言及は一切なかった。
今後は法的措置を取ることも視野に入れているという小西氏。国光氏は自身の発言の重さを認識できているのだろうか。