町田啓太「45歳の自分に“ちゃんと受けろよって”」10年後の自分に送りたい“超”現実的なプレゼントとは?
(撮影:野呂知功/TRIVAL)
「現代は人にレッテルを貼りがちで、一つの面だけを見て判断することが多いと思うんです。でも、人ってそんなに単純じゃない。いろいろな側面があるからこそ、向き合うことが大事なんだと感じました」
町田啓太(35)は、最新主演ドラマ『かばん屋の相続』第1話「十年目のクリスマス」への思いをこう語った。
WOWOWで放送される本作は、池井戸潤原作のオムニバスドラマの一編。町田演じる永島慎司は、10年前に担当した融資先の倒産を心に刻んだまま働き続ける銀行マン。物語は、倒産により路頭に迷ったはずの元社長・神室彦一(上川隆也)が、なぜか羽振りのいい姿で現れるところから動き出す。
「原作にはないオリジナルシーンが素晴らしくて、早く演じたいと思うほどでした。池井戸作品らしい熱量はもちろん、人の情や多面性にしっかりフォーカスされているところが魅力でした」
役づくりでポイントになったのは、不可解な10年の空白を追い始める永島の行動原理だ。
「彼は罪悪感や悔しさを10年間抱えてきました。自分のせいで人生を狂わせたと思い込んでいたのに、実はそうではなかったかもしれない。怒りと戸惑いが同時に湧き上がる、その複雑さを大事にしたいと思いました」
働く男の苦悩や葛藤を描いた本作。町田自身が今、仕事をするうえで意識していることとは?
「ちょっと厄介者扱いされているぐらいがちょうどいいかなと思いますね。チーム感ももちろん大事。でも、自己主張はしていくべきだと思っています」
そんな町田に「10年後の自分にプレゼントするなら?」と尋ねたところ、意外なほど現実的な答えが返ってきた。
「人間ドックの予約ですね。45歳の自分に“ちゃんと受けろよ”って」
笑いながらも、その裏には忙しい日々を走り抜けてきた実感がにじむ。
「今年は次から次へと作品が続いたので、“よくぞ乗り切ったな”という感じです。来年はもう少しじっくり役と向き合ってみたいですね。まあ、そうは言っても、また忙しくしてしまいそうですけど(笑)」
【INFORMATION】
連続ドラマW池井戸潤スペシャル『かばん屋の相続』は、WOWOWにて12月27日(土)・28日(日)22時から2夜連続放送・配信。ヘアメーク:Kohey(HAKU)
スタイリング:石川英治