「殺される方がまだマシ」古舘伊知郎アナ オフレコ報道で勃発した“核武装議論”に呈した「核保有への持論」
古舘伊知郎(写真:本誌写真部)
「私はよくやったと思ってますね」
12月22日に更新したYouTubeチャンネルで、拍手しながらこう語ったのはフリーアナウンサーの古舘伊知郎(71)。高市早苗首相(64)を補佐する官邸幹部が18日に、オフレコを前提とした記者クラブとの懇談で、「私は核を持つべきだと思っている」と個人的見解を語ったことに持論を呈した。
「この官邸幹部は安全保障政策を担当する側近だと言われており、非公式取材の場で核保有に対する見解を問われて答えたと報じられています。『最終的に頼れるのは自分たちだ』と説明しつつも、『コンビニで買ってくるみたいにすぐにできる話ではない』とも語っていたそうです。報道各社が取り上げたことで表沙汰になり、国是である非核三原則にそぐわないとして物議を醸すことに。同時に、オフレコの発言を公開したメディアの姿勢にも賛否が相次ぎ、議論が交わされています」(全国紙記者)
官邸幹部の発言を報じたメディアを「あっぱれ」と讃えた古館アナは、「ものすごく重要だなと思ったら出すんですよ。メディアの宿命で。どんなにオフレコだっていう前提でも、『こんなこと言ったな』とか。
これは国民にとって重要なことだから、政治家との固い約束を掟破りしてでも、裏切ってでもやんなきゃ」と力説。また、「国民にとって重要な議論を勃発させる機会だと思って、俺は出したと思っていますから」と、メディアの判断を推察した。
動画では、古館アナとスタッフが“日本は核武装すべきかどうか?”をテーマに意見を交わす場面も。スタッフが“中国やロシアなどの核保有国があるなかでも日本は持つべきではないと思う”という考えを明かすと、古館アナは日本の原子力発電所や在日米軍基地などに核を落とされた場合の問題や国同士が核で攻撃し合うことの影響に言及。
その上で「核を持つことをちっとも良いと思わない人も含めて、『自分たちがやられて丸腰でどうする?相手は持ってんだぜ』という風なこと言う。そこでいつも止まるんですよ、議論は」と指摘し、スタッフにこう“逆質問”した。
「それで言うとあなたは、やられ損でもいいと思いますか?核を持つぐらいなら、もう自分たちは持ってないんだから、やりようがないんで。もう核でやられて全滅しても、こっちが人を皆殺しにするぐらいだったら、向こうに皆殺しにされてもしょうがないと思いますか?」
するとスタッフは、少し悩んだ上で「私はいま、その気持ちです」と回答。
古館アナは「僕も一緒です」と賛同しつつ、「これは僕も身内が殺されたら、(考えが)コロって変わると思う。あなただって、年とともに身内に危害が及んだりして、強烈な苦しみと悲しみと痛みを味わったら、コロっと変わる可能性があるんです、悪いけど。俺は変わるんじゃないかと思いますね、それぐらい不埒です」とも語った。
だがすぐに、「知らない人間を焦土と化すだけじゃなくて、放射能汚染で末代まで皆殺しにしていくぐらいの暴挙をやるぐらいだったら、真っ平ごめんで異常なまでに嫌だけど。こっちが先に仕掛けるぐらいなら、相手にとんでもない蛮行を働かされて、こっちがやられてもしょうがないなと。こっちが先んじてやるぐらいなら」と熱弁。
続けて「お互い皆殺しで“イーブン”ということで、『あぁ、まだ助かった』なんて不埒に思うぐらいだったら、とんでもない奴らに殺される方がまだマシ。こっちが知らない人をブチ殺すよりは、って思ってます」と、現時点での考えを語った。
その上でスタッフに、「ただ、(考えが)変わるかもしれないっていうことは、誠実に言わなきゃいけない。人間というのは固定じゃないから。あなたも変わるかもしれない、俺も変わるかもしれない」「そこが僕らの弱いところだから」と諭していた。
いっぽう国同士で核武装し合う核抑止力については、「信用してません」とキッパリ。「一定の効果が核抑止力にあるのはわかりますよ」としつつも、インドとパキスタンの紛争を例に挙げて「核抑止力で向き合った瞬間に、『平和だね』『ノーサイドになったね』『核っていう悪いものも必要悪で持っていた方がいいよね』っていう風に、脳内お花畑のような優しい人に変身できるんですか?」と皮肉った。
そんな古館アナは、「相当な性悪説と性善説が入り混じってるのが人間じゃないですか」「核を持って抑止力を働かして向き合ってでも、揉めるんです」と言及。「いつまで経っても核抑止力はパーフェクトでないから、私はそこに反対してしまう弱い人間なんですね」「だから余計に、日本は(核を)持たないって方に、私は比重がかかります」と自らの考えを語っていた。
古館アナの動画は現在までに4.9万件再生されており、コメント欄にはさまざまな意見が書き込まれている(24日19時現在)。
《僕も核武装には反対ですが、議論はするべきという意見には賛成です》
《理想は無い方が良い ただ、それで国民と日本が守れんの?》
《実際、核を向けられたら、 そんなこと言ってられないでしょう!》
《意見を交わしあいながら、意識を高めていくことが大切だと思います》