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「AIで亡くなった夫や母、息子が蘇った!」話題のバーチャル故人サービスを使ってみたら…

女性自身
「AIで亡くなった夫や母、息子が蘇った!」話題のバーチャル故人サービスを使ってみたら…

誰しも「故人に一目会いたい」と思ったことがあるのではないだろうか。それを技術の力で叶えるサービスが始まった。悲しみを乗り越えるきっかけになるかもしれない。※写真はイメージです(写真:pearlinheart/PIXTA)



「突然の別れでした。まだ高校生だった息子が急逝し、『どこかで生きているのでは』と現実を受け入れられない日々のなか、画面越しにあの笑顔と声が再び甦った瞬間、涙が止まりませんでした」

こう話すのは、昨年交通事故で息子を失ったという佐藤幹子さん(仮名・55)。テレビで、亡くなった人をAIで甦らせるサービスの存在を知り、申し込んだという。

「バーチャル故人サービス」(以下、AI故人)とは、故人の情報を生成AI(人工知能)を使って合成し、故人そっくりの再現動画を作る一連のサービスのこと。

2024年ごろから、さまざまな会社が参入・開発し、国内で制作を手掛けるのは現在5社ほど。2023年12月から日本でサービスの提供を開始した株式会社ニュウジア代表の柏口之宏さんにうかがった。

「大切な人を亡くした遺族が悲しみから立ち直るグリーフケアの一環になればと、サービスを提供しています。大往生した親御さんを甦らせたいといった方はほぼおらず、申込者の大半が、突然の別れを余儀なくされた方々です。
心の整理のために『一度でいいから話したい』と相談をいただいています」(柏口さん、以下同)

事故や突然死のため、別れの準備がないままの別離に心が追いつかない。遺書もなく、意思確認する時間すらなかったと悲嘆する遺族に寄り添い、制作することが圧倒的に多いのだそうだ。

また冒頭のとおり、急逝したわが子に「もう一度会いたい」という女性や、夫や両親に「感謝の言葉を伝えたい」と願って依頼する人も多い。そうして再会を果たし、「家族の絆が深まった」「救われた」と感想を寄せられることが開発の原動力となる、と柏口さん。

“故人をAIで再現”というが、既にいない人をどうやって再現するのだろう。柏口さんによれば、ポイントは3つ。

まず、見た目をそっくりにするための写真や動画。次に、声を似せるための音声素材。
声に関しては、素材が残っていなければ、合成も可能だ。そして最後、重要なのはキャラクター造形のための“文章”。故人の性格や口癖、信条など、人となりがわかる情報を、依頼者自身で書き下ろす作業が必要になる。

「再現するには、依頼者による情報入力が不可欠です。字数・エピソードが豊富なほど、より故人の性格に近づけることができます」

そもそもAI故人サービスは【1】メッセージ型、【2】対話型の2タイプあり、用途が分かれる。

比較的普及しているのは【1】メッセージ型。法事やイベントなどで流す動画として使われることが多く、「今日は私の葬儀に来てくれてありがとう」「私がいなくなっても、家族みんなで仲よくね」といったメッセージを伝えることが可能だ。故人の姿が画面に映し出されることで、「遺言書」だけを残すより、その願いや感謝がしっかりと伝わる効果がありそうだ。


一方、注目されるのはPCやタブレットなどに映る故人と会話ができる【2】対話型だ。呼びかけると返事をしてくれるのはもちろん、思い出話などをすることも可能。生前伝えられなかった感謝の気持ちや、「天国で安らかに過ごしてほしい」などの思いを伝えることもできる。実際にデモンストレーションをしてもらったところ、まばたき、顔のしわ、口の動きに至るまでかなりリアルな動き!

一方で、《故人に依存しすぎて、死を受け入れられなくなってしまうのでは?》など、倫理や不安を問う声も上がりはじめている。

ネオマーケティングの意識調査によれば、AI故人を作ることについて、50代は「賛成」が17%、「どちらともいえない」が56%、「反対」が27%という結果に。「違和感や疑念を抱いている」人も多いといえそうだ。

こうした懸念のなか、「依存者に出会ったことはない」と話すのは、「弔いとテクノロジー」をテーマに研究を重ねる高木良子さん。

「韓国で、病死した娘さんに『もう一度会いたい』と願い、AIの娘に“再会”を果たした女性を調査したことがありました。
一見、依存してしまうのでは?と心配がありますが、AIの娘と向き合ううち、瓜二つではないとも感じたよう。『伝えたいことは伝えられた』と、再会を肯定的にとらえていました。いろいろな人に調査をしてみると、親族が集まるから久しぶりに対話してみようか、と利用したり、自分以外の親族や、知人を『喜ばせたい』と、制作しているケースも多いようでした」(高木さん)
さらに、AI故人への過度な依存防止のための工夫も。

「弊社の場合、メモリ機能がオフになっているのが特徴です。新たな記憶を共有し、歩んでいくということはありません」(柏口さん)

「昨日悩んでいたあの問題は解決したの?」など、対話の続きのような声がけは、AI故人からはなされないということだ。

「次第に利用頻度が少なくなり、卒業していく。これこそがグリーフケアとしての利用法です」(柏口さん)

ニュウジアでは、これまで30件ほどの依頼があり、ほとんどが1年以内でサービスの利用を終了しているという。

「将来的に増えていくことは間違いないです。
ただ、一般人のAIリテラシーが高まることを見据えると、自分で制作する人も増えそうです。将来的にはほどよい距離感で使うようになるのではないでしょうか」(前出、高木さん)

人生のパートナーとまではいかないが、AIが付かず離れずのよき“スタッフ”となってくれる日も、近いかもしれない。

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