小野田大臣、昨年会見で対応問われ「仮定の質問は答えない」とピシャリも…現実味帯びる「レアアース規制」
小野田紀美経済安保大臣(写真:時事通信)
高市早苗首相(64)の「台湾有事」発言から2カ月。この間、中国は日本への渡航自粛を呼びかけ、日本産水産物の輸入停止など経済的威圧を強めてきたが、年が明け、さらに新たなカードを切ってきた。
中国商務省は1月6日、軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化を発表。同省の報道官は8日の会見で「民生利用は影響を受けない」と話したものの、具体的な対象品目は不透明で、これにレアアース(希土類)が含まれる場合、日本の産業界が大きな打撃を受けかねない。
「レアアースはEVやハイブリッド車、スマホなど様々な製品で使用される資源。8日の報道官の会見では、レアアース規制に関する説明はありませんでしたが、現地国営メディアでは既にレアアース規制の検討段階に入っているとも報じられています。日本は’10年の尖閣諸島をめぐる中国との対立で、レアアース輸出を停止された過去(レアアース・ショック)があり、以降は中国への輸入依存脱却に務めてきました。それでも、’24年時点で輸入の7割を中国に頼っているのが現状です」(経済部記者)
片山さつき財務大臣(66)は今月11〜14日にかけて訪米し、G7(主要7カ国)などが集まる会合でレアアースを含む重要鉱物について議論する。
9日の閣議後会見で、片山氏は「日本は’10年以降に輸出規制等の被害に遭った経験がある。オーストラリアやマレーシアなど様々なルートを進めたり、中国以外に多様化する、リスクヘッジすることに対しては他の主要製造業国に比べるとある意味経験がある」とし、会合でもシェアしていくと話した。
実際、日本では内閣府主導の「経済安全保障重要技術育成プログラム」(Kプロ)の一環として“レアアースフリー磁石”の研究開発に着手しており、供給安定化を目指している。とはいえ、実装にはまだ時間を要し、野村総研・木内登英氏は同社のメディアで、レアアース規制が1年続いた場合、損失額は2.6兆円にのぼると説明している。
SNSではレアアース規制をめぐって懸念の声が漏れ始めているが、そんななか改めて注目を集めているのが、昨年12月に行われた小野田紀美経済安保担当大臣(43)の会見だ。
小野田氏は昨年12月18日の閣議後会見で、記者からレアアース輸出が規制された場合の損失の規模、対応策を問われ、以下のように答えた。
「具体的な事態に対する仮定の質問にはお答えしませんが、我が国も、世界各国も特定国に依存する事への危機性を認知し、同志国の間でどうやって対応していくかを話し合っています」
直後に再び損失額を問われるも、小野田氏は「仮定の質問にはお答えいたしません」と応じるのみだった。
さらに、同月23日の会見でも、同じ記者から「(レアアース輸出規制で)莫大な損失が出るのを知った上で、すぐに経済的威圧をかける中国依存からの脱却を訴えられたのでしょうか」と問われ、小野田氏は「個別の推計に関するコメントは差し控えますが、我が国としても他国としても、経済安全保障におけるサプライチェーンリスクは常に考えておりますし、対応していくことはどの国もやっていることで、当たり前のことを申し上げただけでございます」と回答。
その後も、記者からは「(中国依存の低減は)莫大な経済的損失が出るのは認識していた上での発言か」「レアアースの輸入停止の経済的損失額が半減するのに、どのくらいの時間がかかると考えるか」という質問が飛んだ田、小野田氏は以下のように繰り返していた。
「どういう損失が出るかも含めて、仮定にはお答えは差し控えます。どんな状況であったとしても、私が経済安保担当大臣として経済安全保障に対するサプライチェーンリスクをなるべく低減していくことを行うのは当然のことです」「具体的なことは申し上げられません」
高市氏の「台湾有事」発言直後から取り沙汰されていたレアアース輸出規制。いよいよ現実味を帯び始めてきたとろで、昨年の小野田氏と記者のやり取りがXで拡散し、一部ではこんな声が上がっている。
《約2週間でここまで現実が追いつくとは、あの時の記者の懸念が正しかったと》
《では現実になってしまった(予見できてた)今、答える言葉はあるのでしょうか》
《中国によるレアアース規制が実現化となった。さあ、小野田大臣、コメントを》
いまこそ、小野田氏の毅然とした対応が問われている。