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「けんかしたら、その日のうちに仲直り」加藤一二三さん “中学同級生”妻と40年間「結婚講座」講師を 聖イグナチオ教会&教え子が追悼秘話告白

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「けんかしたら、その日のうちに仲直り」加藤一二三さん “中学同級生”妻と40年間「結婚講座」講師を 聖イグナチオ教会&教え子が追悼秘話告白

“ひふみん”の愛称でも知られた加藤一二三さん(写真:本誌写真部)



「’23年11月に開催された秋の園遊会で、妻の紀代さんとともに参加した加藤さんは天皇皇后両陛下を前に大好きな猫の話を熱く語り両陛下も笑顔を見せられました。そのころから加藤さんは移動の際には車いすを使用していましたが、昨夏まで車いすで将棋盤に向かい、解説会では元気な姿を見せていました」(全国紙記者)

1月22日、将棋の元名人で“ひふみん”の愛称でも知られた加藤一二三さんが肺炎のため86歳で亡くなった。加藤さんは’54年に史上最年少(当時)の14歳7カ月でプロ棋士に。18歳で最上位のA級へ昇級し「神武以来の天才」と称された。

プロ棋士引退後は、バラエティ番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)などで見せるユニークなキャラクターでお茶の間の人気者となり、“ひふみん”は、’17年の新語・流行語大賞トップ10に入った。前出の全国紙記者は言う。

「現役時代の加藤さんは対局時には昼食も夕食もうな重を注文。タイトル戦では対局に集中するため、会場の庭園にあった滝を止めさせるなどの逸話は将棋界では伝説となっています」

加藤さんは夫妻で敬虔なクリスチャンでもあった。
通夜は27日、告別式は28日に都内にあるカトリック麹町聖イグナチオ教会でおこなわれる。

「史上最年少記録を次々と塗り替えた加藤さんは中学校の同級生だった紀代さんと20歳で結婚しました。もともと対局や研究のため中学校になかなか通えなかった加藤さんのために紀代さんがノートを貸していたことが交際のきっかけだったそうです。

しかし、加藤さんは20代、スランプに陥りました。そこで30歳のときに夫婦でカトリックの洗礼を受けたのです。周囲には“対局中の迷いがなくなり、自分が考えた手を指せばいいと思えるようになった”と話していました。そして30代後半から、名人を筆頭に次々とタイトルを獲得したのです」(前出・全国紙記者)

■「お礼と褒め言葉を億劫がらずに――」

4人の子供にも恵まれた加藤さん夫妻はその“恩返し”として、40代である行動を始めた。’19年、東京新聞のインタビューで加藤さんはこう語っている。


《43歳からは東京の教会で、式を挙げるカップル向けに、妻と「結婚講座」の講師を務めています。キリスト教の教えや、「けんかした時は、なるべくその日のうちに仲直りするよう心掛けるといい」などというような話をします。

これまで担当したカップルは約300組。講座を受けた人たちの同窓会もあり、結婚後に生まれた赤ちゃんを連れてきて、ミルクをあげる元新郎のいいパパぶりなんかを見るとうれしくなります》

「結婚講座」講師を始めた加藤さんは’86年にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されている。本誌は聖イグナチオ教会に「結婚講座」講師としての加藤さんについて聞いた。

「正式には“ヘルパー”もしくは“世話人”といいます。結婚しているカトリックの夫婦が司祭と一緒に、結婚を控えた複数のカップルを対象におこないます。

内容は、司祭たちが作ったテキストがあり、それに基づいて司祭も話しますし、結婚しているご夫婦の経験や立場から話をします。
以前の『結婚講座』は5カ月間で毎週、計20回実施していました。10年ほど前から回数は約半分に減っています。

そもそも講座とはいうんですけれども、授業ではありません。挙式や結婚後のおのおののテーマについて、集まったカップルも自由に発言をします。加藤さんご夫妻は’24年まで現役でした。後輩の若いカップルのために何か力になりたいという思いがあったのだと思います」

加藤さんは過去の著作物やインタビューで、結婚生活についての教えを説いていた。

《「ちょっと褒めること」も夫婦関係の潤滑油となってくれます。今から数十年も前のことですが、妻が「横顔がいい」と私のことを褒めてくれたことがあります。
(略)どれだけ親しく、近しい関係でも、礼節を尽くしたり、気遣いをしたりすることは大事なのです。その象徴が「お礼」と「褒め言葉」です。「お礼」と「褒め言葉」を、恥ずかしがらず、億劫がらずにやりとりすること。それが、夫婦関係をうまく保つ秘訣です》(著書『幸福の一手』より)

《男女は全く平等なものだということは、講座でも言っています。男尊女卑も女尊男卑もいけない。もちろん生活の中では、それぞれの役割はあると思います。例えば僕は料理ができない。でも買い物とか、できることは極力やってきた。
そして、配偶者への感謝を公に言うことも大切だと思うの》(『朝日新聞』’18年3月1日付)

ひふみんのこうした“説教”は愛らしいキャラとあいまって、決して上からではない不思議な説得力が――。加藤さんの結婚講座を’89年に実際に受けた山田晃子さん(63)は本誌にこう語る。

「私のときは同時に13組、講座を受けたと思います。毎回毎回、テーマがありまして、たとえば“どんなふうに仲直りするか”ということをパートナーとそれぞれ考えます。その後はそのほかのカップルとディスカッションするような形でした。

加藤さんご夫婦は、奥さんもとても明るくて、本当に仲むつまじかったですね。実際に結婚してからは、いろいろなことに直面しますよね。いったん立ち止まったとき、“感謝を口にする”とか、そうした加藤さんからの教えが役に立つことがありました。
だから私たちも37年、夫婦をやってこられたと思っています。感謝しかありません」

“ひふみん結婚講座”は夫婦生活の“次の一手”のバイブルとして生き続ける――。

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