「避けきれないよ」伊勢崎3人死亡事故 懲役20年の判決…現場の近隣住民が明かす”被害者の言葉”
事故現場となった伊勢崎市の国道(写真:本誌写真部)
群馬県伊勢崎市の国道17号線での家族3人が亡くなった事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われていた元運転手鈴木吾郎被告(71)の裁判員裁判の判決が、2月13日に前橋地裁で言い渡された。
鈴木被告は`24年5月に飲酒した状態でトラックを運転し、中央分離帯を越えて、対向車線を走っていた乗用車に衝突。運転していた塚越寛人さん(享年26)と、車に乗っていた寛人さんの長男・湊斗さん(享年2)、寛人さんの父・正宏さん(享年53)の命を奪っていた。
検察側は事故を起こした時に飲酒運転をしていたとして『危険運転致死傷罪』が成立すると主張。その一方で、鈴木被告は飲酒を否定し、弁護側も過失運転に留まると主張していた。
裁判で検察側が飲酒運転を立証するための様々な証拠を挙げ、これを受けて、高橋正幸裁判長は危険運転罪を認め、検察側の求刑通り懲役20年の判決が言い渡された。
事件発生から約1年9カ月が経ち、現場は今、どうなっているのか。本誌が訪れると、事件現場には献花が置かれ、縁石には事故跡が残っていた――。
近隣住民が事故発生時の様子を明かす。
「事故が起きた時、私は自宅にいましたが、ガシャーンというとんでもない音に驚きました。すぐに事故が起きたことが分かり、自宅を出て現場に行ってみました。セダンタイプの車が歩道のガードレールとトラックに挟まれて、ペシャンコ状態だったのです。
事故直後、運転手の方はまだ息があり、周囲の『何でこんな事故に?』という声に『避けきれないよ、あんなの』と答えていました。
駆け付けた救急隊にもすぐに救助するように言ったのですが『器具がないとボディを切断できない』ということでした。本当にひどい現場でしたよ。セダンに乗っていた方は全員が亡くなったと聞いて、やるせないですよね。
被害者のご遺族は月命日ごとに事故現場を訪れているみたいで、何度か見かけました。気の毒でね。何も話しかけられません」
危険運転致死傷罪の法定刑の上限である懲役20年の判決が下されたものの、被害者遺族の心の傷は癒えることはない――。