「二十歳になったとき一緒にお酒を」今でも続く、芳本美代子と大人気昼ドラの元天才子役との交流
人気昼ドラでヤンママを演じた芳本美代子
「『ママまっしぐら!』は昼の帯ドラマということもあって、撮影はかなり過密になるから、効率のよさが求められました。たとえばリビングのシーンなら、その日は3話分くらいの、さまざまなリビングのシーンをまとめて撮影。衣装と気持ちを切り替えるのが大変でしたね」
こう語るのは、芳本美代子さん(58)だ。同ドラマは漫画原作のため、空想や回想シーンもあったという。
「和傘を持った殺陣のシーンがあったり、私が元レディースのヘッドだったママ役のため、特攻服を着た回想シーンもあったりして、楽しかった」
慌ただしいスケジュールのなか、異彩を放っていたのが息子役の栩原楽人さんだったという。
「小3の役でしたが、当時は小4。それなのに待ち時間はおとなしく座っていて、がやがやうるさい大人たちよりもずっと俳優らしい(笑)。元ヤンのママを支える、しっかり者の息子役のままです」
役の設定上、栩原さんのセリフは多かったという。
「楽人のお母さんもすごく苦労されたんじゃないでしょうか。セリフはしっかり頭に入っていて、私がセリフを間違えたときは“違ってますよオーラ”が出ることもありました」
もっとも印象深かったのは、台本で5ページほどに及ぶ、会話劇のような長回しのシーン。
「そのほとんどを楽人がしゃべって、カメラが上からゆっくり降りてきて、最後にアップになるんです。カメラや照明との息も合わせなくちゃいけないし、なによりセリフが長い。練習のとき、楽人のお母さんが『そこ、違うよ』と言ったときは、楽人もナーバスになっていたのか『やってる本人なんだから、わかってるよ。余計なこと言わないで。心臓バクバクなんだから』って。小さいのに、プレッシャーを抱えながらやっている姿を見て、少ないセリフの私が間違えるわけにはいかないと緊張しました」
ドラマは好評で、パート2、パート3と続いた。
「私の出産後に、パート2の撮影が開始。共演の網浜直子さんも同時期に出産して、パート3のときは、楽屋にお互いの子供や楽人の弟も加わって、すごくにぎやかでした。私は娘ばかりなので、楽人を息子のように感じていたんです」
ドラマ終了後も“息子”との交流は続いた。「今でも、舞台があれば見に来てくれたりしています。なかでも印象深いのは、楽人が二十歳になったとき、一緒にお酒を飲んだことですね」
『ママまっしぐら!』(TBS系、2000~2002年)
レディース(暴走族)のヘッドを務めていた尾崎彩華(芳本美代子)は、太陽(石橋保)と出会ったことで激変! 駆け落ちして結婚した2人はひとり息子の紫陽(栩原楽人)を授かる。ママとして成長する彩華に共感する、隠れた名作家族ドラマ。
【PROFILE】
よしもと・みよこ
1969年生まれ、山口県出身。1985年にアイドルデビューし、1990年代からは主に俳優として活躍。
同期の網浜直子、松本典子とユニット『ID85』を結成し、4月18日にはホテルニューグランド(横浜市)でディナーショーを開催。