《記者会見よりSNS》小林鷹之政調会長が共同報道を否定…加速する“高市政権のインフルエンサー化”に識者が指摘する“トラウマ”
高市早苗首相(撮影・長谷川 新)
《「自民幹部」とは私のことですが、記事の見出しにある発言はしておりません》
自民党の小林鷹之政務調査会長(51)が4月9日、自身のXに、同日に共同通信が配信した《26年度中の消費減税にこだわらずと自民幹部》と題した記事を自ら訂正する投稿をした。
「小林氏がXに引用した配信記事には《自民党の小林鷹之政調会長は9日の記者会見で、自民が先の衆院選公約に記した2年間限定の飲食料品消費税率ゼロを巡り、2026年度中の減税実施にこだわらない考えを示した》とあります。
小林氏の投稿通りであれば、共同通信は発言していない内容を報じたことになりますが、4月10日昼の時点で共同通信の公式な反応は見当たりません」(政治担当記者)
ある政治ジャーナリストは「政治家が記者会見ではなく、SNSで発言などを訂正をすることはこれまでほとんどありませんでしたが、この政権は高市首相も閣僚も党幹部も、SNSで頻繁に政策や情報を発信しています。まるで“インフルエンサー内閣ですね」と苦笑する。
高市早苗首相(65)は4月7日、記者団に「歴代政権に比べて、ぶら下がり会見などの取材対応が少ない」ことを質問されると、「首相就任以降はできるだけ毎日、Xで発信を行うようにしている」とあっけらかんと答えている。
その理由として「(SNSは)国民の情報収集手段としての重要性が高まっている」「タイムリーに(考えを)知らせることができる」「リプライ機能で国民の声を直接受け止めることができる」などの利点をあげたが、前出の政治ジャーナリストは「記者との丁々発止のやりとりで、高市首相の本音が聞けることもあるので、記者会見は大切です」と指摘する。
一方で、自民党のベテラン秘書は、高市首相の心中をこう察する。
「記者会見は生中継でない限り、テレビも新聞も“編集”という作業があります。
そのため、どうしても“切り取り”になって前後の文脈などがカットされてしまいます。そうなると視聴者に、本意とは違う印象を持たれてしまう恐れがあります。
しかしSNSであれば自身の意見のすべてを伝えられる。岸田文雄氏、石破茂氏の首相経験者は“切り取り“で苦労されましたから、高市首相は学んだのではないでしょうか」
この「インフルエンサー化現象」を、政治アナリストの伊藤惇夫氏はどのように見ているのだろうか。
「高市首相にはトラウマがあるのではないでしょうか。首相就任早々の2025年11月、衆院の予算委員会で立憲民主党(当時)の岡田克也氏の質問に『台湾有事は(日本の)存立危機事態になりうる』と答弁して日中関係が冷え込むきっかけになりました。
高市首相は野党から厳しく追及されると『とんでもない発言』をしてしまう可能性があり、これは首相としてとても危ういことだし、本人もそれを自覚しているのではないでしょうか。そのため、SNSで発信をしているのだと思います。
しかし政策について国民に丁寧に説明をして理解を得るのは首相として当たり前のことですから、記者会見で記者からの質問を受けないというのは、それを放棄しているのと同じだと見られても仕方ないです」
よもや、自らがSNSまで設立したトランプ大統領をマネしているわけではないだろうが……。