日暮里・舎人ライナー 混雑率1位も3年までずっと赤字…担当者が明かした“380億円”借金返済の「遠い見通し」
日暮里駅から見沼代親水公園駅までを結ぶ日暮里・舎人ライナー
「大体、混みすぎていてホームに上がれないんですよ。しかも到着した車両が『満員で乗れません』と言いながら出発してしまうんです。駅員も運転手もいない自動システムだから、乗客はしょぼんと次を待つしかないんで、困ります」
こう語るのは、東京都日暮里・舎人(とねり)ライナーの利用者だ。
今年の3月30日に18周年を迎えた同路線は、東京の日暮里駅と足立区北部の舎人地域を結ぶ全長9.7kmの案内軌条式鉄道。
国土交通省が毎秋に実施している都混雑率調査の全国順位で5年連続ワースト1位になっており、’25年7月に発表された令和6年度調査によると、朝のラッシュ時の平均混雑率が177%を記録。
超混雑路線でありながら、黒字になったのは’25年6月に公表された令和6年度決算が初めてで、開業から令和5年度まで過去は全て赤字であった。
令和6年度の黒字について東京都交通局に聞くと、こう答えた。
「年間およそ60億円程度の乗車収入がありますが、これが令和6年にようやく3億4千万円の黒字になり、企業全体でも2億5千万円の黒字となりました。
今後は平日昼間や、休日の乗客を増やしたいところです」
大きな利益が出ない理由は、通勤ラッシュ以外の時間帯の利用が伸び悩んでいることが原因のようだ。
開業時に要した約380億円にのぼる新線建設費の借金を返済中で、輸送力の増強のために追加投資も行ってきた東京都交通局。担当者に返済計画について尋ねた。
「物価高もあって、正直、将来の見通しは立っていないのが現状です」
5年連続全国ワースト1位の混雑率解消については……。
「混雑緩和のために車両を買い増し、編成数(1編成5両)を15編成から20編成に拡大しました。また車両の内装もボックス型からロングシートに変えて、座席を1割ほど増やしています」
埼玉県など延伸の要望があるようだが、東京都交通局はどう考えているのか。
「今のところ計画はありません。要望はあるようですが、実現に向けては都市計画を含めて国土交通省との折衝も必要になるでしょう」
日暮里・舎人ライナーが混雑を解消して、さらに借金を完済する日はくるのか――。