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《芸能界のツテも使わず》スザンヌ 地元・熊本の旅館を1.5億円で買収、経営に奮闘…30代からの学び直しでついた「覚悟」

女性自身
《芸能界のツテも使わず》スザンヌ 地元・熊本の旅館を1.5億円で買収、経営に奮闘…30代からの学び直しでついた「覚悟」

2024年2月、「くまもと移住アンバサダー」に就任したスザンヌ(スザンヌ公式インスタグラムより)



【中編】「完璧な母を目指すのはやめた」スザンヌ35歳からの大学生活で気づいた“子育てへの学び直し”から続く

「他人に自分の人生を託したくなかったんです」

そう語るのは、タレントのスザンヌ(39)。シングルマザーとして一人息子を育てながら、学び直しを始め、この春に39歳で日本経済大学経営学部を卒業した。在学中には、熊本の老舗旅館を買い取り、1億5千万円を投じて「KAWACHI BASE―龍栄荘―」として再生。現在も経営を続けている。

芸能界でのツテに頼らず、なぜあえて学生に混じって学び、起業という道を選んだのか。その根底にあったのは、「自分で選んだ道の責任は、自分で引き受ける」という覚悟だった。

■起業や経営が、遠い世界のものではないと気づいた

「いつか起業してみたい」――漠然とそう考えていたスザンヌは、日本経済大学に入学後、起業ゼミに参加した。

「マーケティング論や経営戦略論、企業活動法など、さまざまな講義を通して、経営の輪郭が少しずつ見えてきたんです。
ビジネスの概念だけでなく、小切手の書き方といった実務的なことも教えてもらえて。そうした学びがつながっていく中で、経営は憧れの対象ではなくて、実現できるものだと思えるようになりました」

さらに、起業ゼミでの学びが背中を押した。

「起業を目指す学生たちが集まって意見を交わすゼミがあって、私も参加しました。みんなのアイデアを聞くなかで刺激を受けましたし、仲間や先生からたくさんアドバイスももらって。『こういう手順を踏めば、事業ができるんじゃないか』と考え始めたら、『やってみよう』という気持ちになっていました。実際にやってみるとめちゃくちゃ大変でしたけど(笑)」

在学中には学生起業としてアパレルブランドを立ち上げるなど、漠然と思い描いていた起業の夢は、学びを通じて現実のものとなった。

起業するにあたっては、「芸能界にいるのだから、その道のプロに教わったり、サポートを受けたりすればいいのでは」「知名度を生かしてクラウドファンディングで資金を集めては」といった声もあった。しかし、あえてそうした道は選ばなかった。


「正直、芸能の仕事をしているからこそ、教えてくれる人や支えてくれる人はたくさんいたと思います。でも、大学で一から学んだのは、選択した道の責任を自分で引き受けられる自分でいたかったから。誰かに頼り切って事業を始めたら、うまくいかなかったときに『あの人に言われてやったのに』って思ってしまいそうで。それが嫌だったんです」

そして、約1億5千万円の身銭を投じ、故郷・熊本市にある老舗旅館を買い取った。“自分で責任を引き受ける”という感覚は、彼女の母の背中から受け取ったものでもあった。

「私の母も女手一つで私たち姉妹を育てながら、働く姿を見せてくれていたんです。だから、自分の頭で考えて、自分で納得したうえでやろうっていうのは、ずっと心の中にありました。手掛ける事業は、自分で責任が取れる範囲でやっていきたいという思いは今も変わらないですね」

■教科書どおりにいかないことだらけの毎日のなかで

大学を卒業後、現在は「KAWACHI BASE―龍栄荘―」の経営に取り組んでいる。
宿のある河内町は、かつて温泉街として栄えていたが、現在は宿が2軒のみ。そんな地に再び人を呼び、賑わいを取り戻そうと日々奮闘している。

ビジネスに関する大学での学びは多かったが、やはり実際の経営の現場では、想像どおりにいかないこともあった。

「『ぜんぜん違う』『思いどおりにいかない』ことだらけです。やっぱり教科書どおりにはいかないですよね。でも、それもひとつの経験だと思って、日々向き合っています。

講義で学んだことを実際に経営で試している人は、まだそんなに多くないと思うので、自分も失敗しながら、次につながる経験を積んでいきたいです。一つひとつ試行錯誤しながら積み上げていくことが、今の私にとっての学びだと思っています」

■学び直しの先に見えたこと

「なんで勉強するの?」。
息子の何気ないひと言から始まった彼女の学び直しは、高校への再入学から始まり、大学卒業を経て、旅館経営という大きな挑戦へとつながった。

「高校に再入学を決めたときは、まさか自分が大学を卒業して、旅館を自分で経営するなんて思ってもいませんでした(笑)。息子に勉強することや働くことを伝えたい、恩師や母に少しでもお返しがしたい。その小さな思いが、『もっと頑張りたい』『もっと学びたい』という気持ちにつながって、積み重ねてきた結果が今につながっています。私は自分のためだけでは頑張れなくて、支えてくれる人たちの存在があったからこそここまでこられたのだと思います。だからこそ、この学びを今度は恩返しに変えていきたいと思っています」

地元への思いも強い。

「芸能界に入って、“熊本出身のスザンヌ”として育ててもらったので、熊本に恩返しがしたいという気持ちはずっとあります。旅館のある河内町を盛り上げて、人がたくさん訪れる街にしたい。
それが今の大きな夢です。そのためにも、まだまだ学び続けていかないといけないと思っています」

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