岸田文雄元首相 「国民の身近な課題に」高市政権に釘差しも…議員外交で「使える首相経験者」として猛アピール中

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岸田文雄元首相 「国民の身近な課題に」高市政権に釘差しも…議員外交で「使える首相経験者」として猛アピール中

6月26日、日本外国特派員協会で講演をする岸田文雄元首相(撮影:梅基展央)



「最近の岸田さんについて、党内では『水を得た魚のようだね』と囁かれていますね」

こう語るのは、自民党のベテラン秘書だ。

岸田文雄元首相(68)は、2012年12月から2017年8月まで4年7カ月もの長きにわたり外務大臣を務めたこともあり、外交分野を得意とする政治家として知られる。2024年10月に首相を退いたあとも、得意の外交での政治活動に精力を注いでいるようだ。その様子を、政治部記者はこう語る。

「日本・イラン友好議員連盟の会長を務める岸田氏は、2026年3月に同国のペイマン・セアダット駐日大使を国会での議連総会に招き、米国とイランの戦闘終結に向けて意見交換をしました。続いて4月末に高市首相の特使として、フィリピンを訪問し、マルコス大統領と会談。そして5月、菅義偉元首相が会長を務めていた、日本とインドの交流促進に取り組む公益財団法人日印協会の会長に就任しました。岸田氏は首相時代にインドのモディ首相と会談を重ねたことがあり、7月1日にスズキや伊藤忠商事など50以上の企業や経済団体が同行を予定している高市首相のインド訪問に一役買っているとも聞きます」

その岸田氏は、6月26日に日本外国特派員協会で「日本外交と今後の課題」というテーマで記者会見。
冒頭で自身の外交経験などを英語で講演した後、記者からの質問に答えるやりとりでは、高市早苗首相(65)にチクリとくぎを刺す場面があった。

現在、高市首相が取り組む「議員定数の削減」や「国旗損壊罪法案」について、記者から「これらは国民の日常生活の課題から乖離しているのではないか」と問われた岸田氏。高市首相が高い支持率を国民から得ていることを前提に、「この政治資産をどのように使うかが大事で、課題を解決すると必ず反対もつきまとう」と指摘。そして、「引き続き国民の高い支持を得ていくためには、より国民の身近な課題にも政治資産を振り向けていくことも大事ではないか」と、首相への忠告ともとれる発言をした。

さらに記者の質問は、高市政権が苦労している日中関係の悪化にまで及んだ。今後、この問題にどう向き合うべきかと聞かれた岸田氏は、自身が習近平国家主席と2度APECなどで会談したことに触れ、対話が重要だと述べた。そして、「日中関係の対話を担う人物がどんどん少なくなっている」としたうえで、「高市政権も対話が重要である、対話のドアはオープンである、ということは言い続けていることは承知しています。ぜひこれが結果につながることを期待したいと思っています」などと高市首相に注文をつけた。


岸田氏のこうした動きについて、政治部デスクはこう解説する。

「岸田氏は現在、議員外交を積極的に展開しています。イランの駐日大使を国会に呼ぶ集会を議連の会長として企画。日本が持つ独自のパイプを崩してはならないという意味で、政府との調整役を岸田氏は担っています。官邸とのすみ分けはわりとしており、首相が7月1日から訪印するタイミングと被らないようにしながら、岸田氏自身も夏過ぎの訪印を考えています。これまで日印なども含め、多くの議員外交は菅元首相が前面に出るケースが多かったのですが、菅氏の体調悪化、そして政界引退に伴い『使える首相経験者』として、岸田氏が様々な場面に出るようになっています」

一時は「高市さんだけは首相にしてはダメだ」と周囲に話すほど高市氏を毛嫌いしていた岸田氏。しかし、高市氏が首相に就任して以降は、態度を軟化させている模様だ。前出のデスクが続ける。


「岸田氏と高市首相との関係は相変わらず可もなく不可もなくという状況で、木原誠二議員ら側近議員も政権とは一定の距離を置いています。しかし、同じ宏池会で林芳正総務相が高市政権から目をつけられて警戒されているなか、岸田氏自身は2025年10月に自民党の日本成長戦略本部の本部長というポストを手に入れ、党本部に自室も設けてもらうなど、割とうまくやっている感がありますね」

首相への再登板の意思は否定しているという岸田氏だが、今はまさに「使える首相経験者」として意気軒高ということか。

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