「しいて言えば、奨学研修者」高市首相“肩書問題” 「立法調査官」命名者の“大物女優の父”が33年前に語っていた「真相」

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「しいて言えば、奨学研修者」高市首相“肩書問題” 「立法調査官」命名者の“大物女優の父”が33年前に語っていた「真相」

「立法調査官」という肩書を疑問視されてきた高市首相(写真:本誌写真部)



「(立法調査官という)和訳でございますけれども、これは私がある大手新聞社が発行している出版物にコングレッショナル・フェローとして、文章を寄稿したときにコングレッショナル・フェローでは分からないということで、何か和訳をつけてくれと編集者から言われました」

7月6日の参議院決算委員会で、そう答弁したのは高市早苗首相(65)だ。

高市首相の“肩書問題”が再燃している。国会議員になる前のキャスター時代から「元アメリカ連邦議会立法調査官」の肩書を使用していた高市首相。初出馬時の選挙公報にも、「日本人で初めての米国連邦議会立法調査官」と記載されていたという。政治部記者はこう語る。

「この“肩書問題”は、長年、高市さんについて回ってきたものです。過去にはジャーナリストの鳥越俊太郎さん(86)が『(米国で)コピー取り程度の、お茶くみ程度の役しかやってない』『経歴詐称だ』と発言。それに対して、当時総務大臣だった高市さん側が抗議したこともありました。
高市さんが総理大臣になったことで、“肩書問題”が再燃した形です」

■「立法調査官」の命名者は桃井かおりの父親

論点は多岐にわたるが、よく挙げられるもののひとつが「立法調査官」が「コングレッショナル・フェロー」の和訳として適切かどうかだ。6日の参議院決算委員会で、高市首相は自ら訳語選定の経緯を説明した。

冒頭のように、編集者から「コングレッショナル・フェロー」の訳語を求められた高市氏。実際にワシントンD.C.まで高市氏の仕事を見にきたという元NHK解説委員長の緒方彰氏と、国際政治学者の桃井真氏(ともに故人)に相談したという。ちなみに、桃井真氏は女優の桃井かおり(75)の父でもある。

「英語も堪能でいらっしゃる方、おふたりに相談をして、仕事内容からこういう和訳がいいんじゃないかということで、当時の出版社と、そのおふたりの有識者がそのよう(立法調査官)に和訳されたというものでございます」

しかし、「官」とは「役所。官庁。」「つとめ・役目。公務。」「つかさびと。
役人。官吏。」などを意味する(『新漢語林』(大修館書店)より)。日本では、「官」の文字は、警察官や検察官、税務調査官など、公務員の役職に付されることが多い。英語が堪能な人が、「コングレッショナル・フェロー」を「立法調査官」と和訳したのは不自然だとして、SNS上ではこんな見方をする人も。

《故人に責任をなすりつけた》
《訳したとされる人は故人。死人に口なし。》

■「しいて言えば、奨学研修者」命名者が証言

しかし、桃井氏は取材に対して、「立法調査官」と命名したことを認めている。

『週刊現代』1993年9月4日号は、「高市早苗代議士の華麗な経歴は“誇大広告”だった」という記事で、当時衆議院議員に初当選したばかりの高市氏の“肩書問題”について報じている。
1989年に高市氏が米国から帰国してからまだ4年、関係者の記憶も新しい時期に作成された記事ということになる。

当時、取材に応じた桃井氏はこうコメントした。

「コングレショナル・フェローというのは本当は訳せないんです。日本にはないものだから。しいて言えば、奨学研修者とでもいうんですかね。彼女が向こうでやっていた仕事の内容を聞き、上司が法案を作るときに頼まれて資料を集めたと言うので、僕が立法調査官と名付けたわけです」

高市事務所は、「確かに議会から報酬は出ていませんが、松下政経塾のアメリカの研究所が高市のスポンサーとなり、議員事務所で働いていた」「“議会立法調査官”は造語です。現在は、誤解を招くので、その名称は使っていません」と、2016年3月31日付の『日刊ゲンダイ』の取材に対して回答している。

「米国議会から給与が出ず、スポンサーから給金を貰いながら、米国大統領候補に名前も挙がったこともあるパトリシア・シュローダー下院議員(故人)のもとで働いていたのですから、『奨学研修者』という言葉の方が実態を表しているでしょう。
少なくとも、公務員を連想させる『官』をあてたのはミスリードだったと思います」(前出・政治部記者)

■「インターンに毛が生えたようなもの」

さらに話をややこしくしているのが、「コングレッショナル・フェロー」という名称そのものが生む誤解である。

アメリカ議会において権威ある「Congressional Fellow」といえば、通常はアメリカ政治学会(APSA)などが主催する厳格な選考を経たプログラムの参加者を指す。政治学者やジャーナリストなどの専門家が選ばれ、議会の実務にフルタイムで従事する超党派の公的な制度だ。高市氏が名乗り、米国で名刺にも印刷していたという「コングレッショナル・フェロー」はこれとは異なる。

前出の『週刊現代』の取材に、当時のシュローダー事務所の責任者であるダン・バック氏はこう回答している。

「彼女の正式な肩書は、“フェロー・ウイズ・パット・シュローダー”。フェローというのはどこか他からスポンサーを探してもらい、我々は給料を一切払わないシステムです。彼女は、レジスレイティブ・アシスタント(LA。
この仕事の給料は公費から支給されるため、立法補佐官と訳されることもある)のモーリン・マックスウェル女史の下で、リサーチをしたり、手紙を整理したりしていました」

そのうえで、「コングレショナル・フェローでも間違いではない」と回答したという。それに対し当時の高市氏はこう反論している。

「コングレショナル・フェローというのはLAと同じものです。LAは法案を作成するスタッフですが、これはアメリカの市民権を持っていないとなれないので、私のような外国人のためにあるのがこの肩書です」

それに対して、同誌は現地の大学の日本人研究員(現在は早稲田大学名誉教授)のこんなコメントを紹介。

「LAは議員事務所のナンバー2で公費から給料をもらっていますが、コングレショナル・フェローは無給の研究員。インターンに毛が生えたようなものです」

そのうえで、同誌は高市氏を再取材し、こんなコメントを引き出している。

「(コングレショナル・フェローとLAは※引用者注)ほぼ同じであるけれど、まったく同じ仕事ではありません」
「私は、法案作成に係わったとは言いましたが、法案作成スタッフであると言ったことは一度もありません。調査という形で係わったと言っているだけです」

30年以上前から尾を引く高市氏の“肩書問題”だが、前出の政治部記者はこう語る。


「和訳として不適切だったかもしれませんが、現地で『コングレッショナル・フェロー』と名乗って活動していた以上、経歴詐称とは言えないと思います。当時、高市さんは20代。将来のために、“盛った”肩書や訳語を選んだということだと思います。まさか、将来、総理大臣になって、そのことを突っ込まれるとは思いもよらなかったでしょうね」

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