高市首相 “寝てない” 投稿に「努力アピールやめて」SNSで相次ぐ批判…「あまりに独善的」党内部でも失う “求心力”
7月17日の参議院予算委員会に出席した高市早苗首相(写真・長谷川 新)
高市早苗首相(65)が、7月20日夜10時半ごろに自身のXにポストした長文の投稿が議論を呼んでいる。
7月17日には、今国会で高市氏にとって懸念材料となっていた国旗損壊処罰法案と、皇室典範改正案が、衆参両院可決で成立。その後の7月18〜20日の3日間、高市氏は終日首相公邸で過ごしていた。
《7月に入ってからの土日は、》で始まる20日の投稿で、《この土日も、閣議決定を目前に控えた3本の文書の最終案を再度読み込んだり、数千通も溜まってしまったメール処理で今日(月)の明け方まで仕事に追われていましたが、今日の海の日の午後は、私的に使える貴重な時間になりました》とつづった高市氏。
続けて、《平日は、公邸に戻ってから、風呂掃除、入浴、夕食、夕食後の洗い物、洗濯、簡単な掃除まででプライベートな時間は精一杯で、後の深夜時間帯は明け方まで官邸から持ち帰りの資料読みや国会答弁資料読みに追われます》と多忙ぶりをアピールした。
さらに、高市氏は多忙にともなう睡眠時間の短さなどについてこうつづった。
《今日のお休みは本当に有難く、久々に5時間も睡眠を取れた上(総理就任以来、0時間〜3時間睡眠が常態化)、昼からは、手付かずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけと、お裁縫(スカートの裾のほつれのまつり縫いやジャケットの緩んだボタンの補強)を一気に処理。私は特にアイロンかけが下手で時間がかかるので、つい先延ばしにしていた結果、スーツに合わせるインナーが殆ど無い状況に》
最後は《これで会期末までのハンカチとインナーを確保でき、明日から又、頑張れます!》と締めくくった。
高市氏といえば、2025年11月13日の参議院予算委員会でみずからの睡眠時間について「だいたい2時間から長い日で4時間」と明かしたことが話題になったこともあった。
今特別国会は8日間延長し、7月25日が会期末となっているが、大規模災害時に東京圏の政治経済の機能を代替する「副首都」を設けるという「副首都整備推進法案」が7月15日に衆院を通過し、現在参院で審議がおこなわれている。今国会中に成立するかどうかが最大の焦点となっている。政治担当記者が言う。
「7月21日、立憲民主党参院議員の斎藤嘉隆国対委員長は、立憲など野党が反対する副首都整備推進法案について、野党で結束して原案の否決を目指すとしたうえで、『国民が望んでいる法案とは思わない。ややもすると大阪のための法案と言われているし、羊頭狗肉的な法案とも思う』などと、今国会での法案成立を阻止する思いを話しました。
国会の会期末が残りわずかとなったいま、高市氏は “寝てない” アピールを投稿し、加えて裁縫やアイロンかけの大変さを吐露したのですが、SNS上ではこの投稿に呆れる声もあがっています」
実際に、X上には
《一国の総理として、この投稿は……ある意味、本当にすごいですね。公邸で資料を読み漁り、明け方までメール処理。
そして貴重なお休みでアイロンとまつり縫い。睡眠5時間も取れたなんて、国民に自慢したくなるのもわかります。》
などの皮肉や
《政治トップが語るべきは政策の中身・判断理由・優先順位・リスク評価であって、家事と睡眠時間の自慢ではない。》
《総理大臣たる人が、努力してるアピールみたいなのやめてください。政治家は結果なので、苦しい国民生活を改善できないなら、辞めてください。》
などの厳しい声があがっている。
自民党内でも、20日夜の投稿は話題にのぼっているようだ。自民党のベテラン秘書が言う。
「『ああいったことを書けば書くほど人が離れていくよ』という見方が党内から多く出ています。総理という立場なのに、内々のことをXにわざわざ書く意味がよく理解できません。『アイロンや裁縫も含めた家事を首相が1人でやることじゃないし、誰かに頼めばいいだろう』と冷めた声もあがっています。
『私は大変なのよ』アピールは逆効果だと思いますね。高市さんは確かに忙しいのでしょう。とはいえ、総理大臣ではないにせよ、仕事、家事、育児などに追われる女性たちは大勢いるわけです。そういった女性たちからの共感が得られるとでも思っているのでしょうかね。国民は家事よりも『国の舵取り』に専念してもらいたいと思っているはずです。
高市さんについては、麻生太郎副総裁も『高市は言うこと聞かねえな』と周囲に漏らすほどで、麻生さんやそのほか自民党幹部の助言は聞き入れないため、周りからはどんどん人が離れていっている状況です。
高市さんは自分が国のトップである総理大臣ということを強く意識しているようで、『私が決めればいいことで誰かに相談しなくてもいいんじゃない』ということを周辺には漏らしているみたいです」
政治部デスクも、高市氏と党執行部とのギクシャクした関係についてこう話す。
「日本維新の会が推し進めている副首都整備推進法案と衆院定数削減の2法案について、当初、高市氏は『日本維新の会との約束を果たすため』とだけ言い、これを実現するために今国会の60日延長を自民執行部や国対側に指示していました。
しかし、麻生副総裁や鈴木俊一幹事長、それだけでなく側近とみられていた萩生田光一幹事長代行ですら『維新への操を立てるためだけに延長をやるのはおかしい』と反対姿勢を示していました。
自民党内では『高市首相は国会対策のイロハがわかっていない』と不満が高まっていましたが、だからといって高市氏に正面から諫言できる人物がいないのも現実。麻生副総裁ですら『もう勝手にしろ』とばかりに静観している状況です。
自民党内では高市政権に対して冷めた見方が広がっており、国会が閉会したあとは、プチ政局になりそうな様相も呈しています。
一方の高市氏側は、秋の内閣改造などをエサに党の足元を見ようとしていますが、ある閣僚経験者は『あまりにも独善的な運営をしすぎると人心が離れていく。
来年秋の総裁選で反乱を起こす勢力も出かねない』と話すなど、反感も強くなっている状況です」
こうした批判もあがるなか、ある官邸関係者は今回の高市氏の投稿を次のように擁護する。
「高市氏本人がいつもの行動を書き記しただけです。投稿は秘書官などと共有することはなく、本人が直接出しています。書かれた首相の日々の生活スタイルは首相就任時から一貫して変わらないんです。
夕方、夫で半身不随の山本拓氏の食事、入浴、片付け、洗濯などの世話を1人ですべておこない、寝室まで連れて行ったあと、自分の仕事を始めるのです。
介護ヘルパーなどを雇ったほうがいいという周囲の声に対しては、『この生活が自分の生きがいになるんです』と頑なに拒否しています。
夫の世話が終わった後の午後10時ごろから午前3時ごろまで書類に目を通したり、関係先の官僚や親しい議員にメール・電話で指示を出したりしています。
もともと短時間の睡眠というライフスタイルでずっと過ごしてきたこともあって、高市氏は短時間の睡眠時間でも大丈夫だと周囲には言っています」
自身のスタイルを堅守する高市氏だが、肝心の支持率では綻びも見えている。
ANNが7月18・19日におこなった世論調査では、内閣支持率が6月の調査から10.9ポイント急落し、49.2%と5割を切る事態に。前出のデスクが続ける。
「本人は大丈夫なのかもしれませんが、深夜の指示については、受ける側の官僚から『こちらが休まらない』という悲鳴もあがっています。
最近の高市首相は『焦っている』という声が党内から多く聞かれます。内閣支持率が前月から急落し、周囲には『原因を探れ』と盛んに指示を出していますが、コアな高市支持層が離れ始めたのではないかと警戒感を募らせているようです。
今回のX投稿は、『頑張っています』をアピールし、コアな支持層をつなぎとめる一環と見る向きもあります」
独善的な政権運営により、自民党内部の求心力も失いつつある高市氏。今回の “寝ていない” アピールも、独りよがりな姿勢を強調することになってしまったかもしれない。