《保守層ばかりを忖度》高市首相 内閣支持率減少、女性天皇容認が増加…識者に聞く「民意無視」の代償

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《保守層ばかりを忖度》高市首相 内閣支持率減少、女性天皇容認が増加…識者に聞く「民意無視」の代償

参院予算委員会の集中審議に臨んだ高市首相(写真:本誌写真部・2026年7月17日)



憲政史上初の女性首相として、これまで高い内閣支持率を維持してきた高市早苗首相。だが、政権発足から約10カ月が経ち、人気ぶりに陰りが見えている。

8月2日時点の各社の世論調査で、内閣支持率が急落していることが明らかになった。日本経済新聞の7月27日時点の調査では、支持率は前月調査から10ポイント下落の58%、不支持率は10ポイント上昇の37%に達し、特定の支持政党を持たない無党派層の不支持は5割を超えた。

読売新聞の7月調査でも、内閣支持率は前月から12ポイント下落した57%、朝日新聞でも7ポイント下落して53%、産経新聞の調査でも3.7ポイント下落して61.6%となっている。自民党関係者はこう明かす。

「物価高への対応が不十分だったということもありますが、大きな原因の一つとして改正皇室典範の影響も無視できません。改正によって、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持し続ける制度、旧宮家の男系男子を養子に迎えて皇族数を確保する制度が創設されました。


しかし、共同通信社が7月25、26両日に行った世論調査によると、女性天皇を認めることに賛成が81.0%に達し、反対の16.1%を大きく上回っているように、国民の多くが賛意を示している『女性天皇・女系天皇』についてほとんど議論されなかったことへの反発があるのでしょう。

高市総理は女性初の首相ですし、かつて男系の女性天皇であれば容認するといった発言もあり、期待されていた向きもあります。結果はその逆となってしまったわけですから、“裏切られた”と感じる有権者が大勢いたといえるでしょう」

国民の多くが女性天皇の実現を望むなか、男系継承を固持した今回の改正は、世論との大きな乖離を改めて浮き彫りにした。

天皇陛下もオランダ・ベルギーへの公式訪問を前に臨まれた記者会見で、「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられている。さらに、政府が提出した改正案が国会で取り交わされた「立法府の総意」と離れたものとなっていると野党が反発した経緯もある。

こうした状況を踏まえ、高市政権の支持率の低下について、名古屋大学大学院教授の河西秀哉さんはこう解説する。「私は、改正皇室典範が内閣支持率下落の要因になっていると思います。女性首相であるから女性天皇を実現してくれると思った層は少なからずいると考えられます。
結果として、女性の支持を失ってしまったといえます。

さらに改正の過程で、説明が不十分なまま法案を通過させてしまったところに疑問を抱く人々もいたのでしょう」

さらに高市首相は7月27日の衆院予算委員会の閉会中審査で、女性・女系天皇を含めた皇位継承のあり方を検討する有識者会議を新設する考えがあるかを問われ、「今ただちに設置する考えはない」と述べた。前出の自民党関係者は次のように続ける。

「高市総理は台湾有事が存立危機事態になりうると答弁し日中間の緊張が高まる状況を招きましたが、自身がいったん示した方針を柔軟に変えない傾向があります。内閣支持率や政党支持率が下がるとなれば、男系男子による皇位継承のあり方を堅持するべきだという“コアな保守層”の支持をいっそうつなぎとめなければならない、という発想に行きつきがちです。

保守票の離反は多くの自民党議員が忌避することですし、国民の多くが望む『女性天皇・女系天皇』、あるいは『愛子天皇』の実現は、自民党が政権を担っている間は極めて難しいのではないかと個人的には感じています」

だが、前出の河西氏はこう警鐘を鳴らす。

「政権の方針と国民の意識とのズレを放置しておくと、やがて皇室全体への支持の低下を招き、人々がネガティブな感情を募らせることにもつながりかねません。たとえばもし皇族方が養子縁組を強行すれば、“なぜ愛子さまやそのお子さまが皇位を担えないのか”“養子の子が天皇に即位するくらいならもう皇室はいらない”“自分たちの税金が用いられたくない”という声も出てくるでしょう。


皇室典範改正が一過性のことではなく、これからも国民的な議論を行う必要性を政治家に認識させていかなければなりませんし、国民が選挙を通じてそうした意思を示すことが非常に大切だと思います」

国民の8割以上が望む声を無視し、保守層の支持を優先した高市首相。その代償は、皇室の存続も危機にさらすという未来にほかならない。

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