【熊本地震その後】八代市の避難所で「SNS投稿禁止」の “お達し”が議論呼ぶ…市役所の見解を聞いた
宇城市小川防災拠点センターの避難者。雑魚寝の状態が続く(撮影:梅基展央)
7月28日に熊本県を襲った最大震度7の巨大地震。発災から3週間経った熊本県の発表(8月18日時点)では、死亡者数が39人(車中泊での熱中症疑い1人、災害関連を調査中の2人を含む)、避難生活者が3020人、住宅被害が3万2767棟に及び、断水は八代市、宇城市、氷川町で6170戸になるという。
まだまだ多くの被災者が不自由な生活を強いられているなか、8月20日にSNSのThreadsに投稿された内容に注目が集まっている。
その投稿は、避難所と思われる体育館内を撮影した写真とともに、《八代市の避難所で1週間過ごしました。発災から2週間たっていたので避難所は、落ち着いていました》とつづられ、続けて《SNSは禁止でした。なにも発信するな、でした》という一文があったのだ。
この投稿はXなどでも拡散され、《SNS禁止はおかしい》《すごい情報統制》など批判のリプライが殺到する事態となっている。
「八代市は最大震度6強を観測しました。
7月31日時点、市内38カ所の避難所に4095人の市民が避難しましたが、19日午後3時時点で、1622人になっています。
今回、投稿で問題になった『SNS禁止』ですが、確かに八代市からそういった要請はありました。しかし、その主旨は、SNSで指摘されているような内容とはかなり違うのです」(社会部記者)
八代市は、どういった「お願い」をしたのだろうか。八代市災害対策本部に聞いた。
「8月3日、各避難所に『避難所内での写真撮影に関する注意喚起』ということで、ポスターにして掲示させていただきました。おもな内容としては、避難所生活を含む避難所内の無断撮影と、そういった写真をSNSなどに投稿することへの注意喚起です。
ほかの自治体でもあったのですが、避難所内で撮影した写真に、意図せずほかの避難者の方が写り込んでいて、それに気づかず投稿して、結果としてその方のプライバシーが侵害されてしまうという事案がありました。
もちろん、SNSの利用そのものを禁止しているわけではありません。
あくまでも、避難者のみなさんのプライバシー保護を最優先に考えた、写真撮影と写真投稿についてのお願いということです。プライベート空間で撮影した写真の投稿であれば問題ありません」
投稿では「禁止」の部分だけが強調されたため、誤解が生じてしまったようだ。その一方で、「被災状況の報告や救援要請などをするため、写真撮影とその投稿は必要」という意見も多くある。
災害時のSNS使用。プライベートと公共性の兼ね合い。議論すべきことは多い。