【『踊る大捜査線』出演者は今】本作で4回目出演の笠井信輔(63) 「がんが契機に」執筆、講演、You Tubeとパラレルキャリアを実践
「今回は声の出演ですが、ぜひ探してみてください」と笠井さん(撮影:河内彩)
9月18日に公開された劇場版『踊る大捜査線N.E.W.メトロポリスを駆け抜けろ!』。
2012年公開の『THE FINAL新たなる希望』から14年ぶりの新作に、“踊る”シリーズのファンは大喜び。
本誌では『踊る大捜査線』シリーズの作品に出演して、現在は一風変わった経歴を歩んでいる人の「あの人はいま」を取材した。
「実は、僕、今作にも出演しているんですよ。隠れキャラなので探してみてください」
そういたずらっぽく笑うのは、フリーアナウンサーの笠井信輔さん(63)だ。
笠井さんといえば、『とくダネ!』(フジテレビ系)の“朝の顔”として知られていたが、今では、アナウンサーに加えて、舞台俳優、YouTubeの番組の企画に加え、撮影・配信もも自ら精力的にこなしている。
また、2019年のフリーへの転身直後に、悪性リンパ腫のステージ44であることを宣告された。そして、44カ月半の入院・抗がん剤治療の様子を、自らSNSで発信し続け、家族の支えもあり、2020年完全寛解を遂げた。
『生きる力がん寛解までの記録』(角川新書)も1999年10月10日に発売し、自身の治療の軌跡を綴った本の執筆や、講演も行うなど、パラレルキャリアを実践し、活躍中なのだ。
「僕、元々、“踊るシリーズ”が大好きで。(フジテレビのアナウンサーの)先輩の軽部(真一)さん(63)が、『THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ!』に出ていたのが、うらやましくて。出してほしかったんです(笑)」
念願が叶い、映画『交渉人 真下正義』(2005年)では、映画の中での街頭ビジョンに、笠井さんと軽部さんのBSのエンタメ紹介番組『男おばさん!!』(BSフジ)が映り込む形で、本人のアナウンサー役として軽部さんと2人で出演した。
「この『男おばさん!!』の番組も、学生時代から、映画や舞台が好きだったので、BSの番組をつくるときに、『映画紹介番組をやりたい!』と手を挙げて立候補して始まった番組だったんです」
■2012年の『踊る大捜査線THE FINAL新たなる希望』には、ニュースキャスター役で出演!2024年公開の、柳葉敏郎さん(65)演じる室井慎次にフュィーチャーした『室井信二 生き続ける者』でも、笠井さんは、ラジオのアナウンサー役で声の出演をした。
この作品は、フジテレビ社員の立場からフリーへと転身し、がん闘病をも乗り越えての出演でもあった。
「“踊るシリーズ”、今回で4作目です。これで軽部さんの”踊る“の出演本数に追いついけたかな~?(笑)」
本作は旧知の仲の本広(克行)監督(61)に、出演を直談判したとか。
「これまでは、僕はアナウンサー役での出演でしたが、今回は違います。
今年8月には、シェイクスピアの『マクベス』の舞台にも宮廷医師と老人2役で出演しまして、いちおう役者の端くれですからね(笑)
どういう声のトーンでとか、言いまわしはどうしようかと、しっかりと役作りして臨んだんです」
ところが監督からOKが出なくて、全部ボツになってしまったという。
「あげくには本広監督から、『笠井さんは、笠井さん本人じゃなきゃダメ。笠井さんの声でやるから面白いです』って、そうなのか~」と、嬉しそうに笑う。
「声の出演ですが、青島(織田裕二さん)を叱る役(笑)。ぜひ、探してみてくださいね」
人生を振り返ると、演劇も映画も、中学時代からずっと見続けるほど大好きで、自分の原点なのだと笠井さん。
「中学時代に、母親から、映画を観に行ってもいいが、必ず、感想文を書きなさいと言われて以来、映画感想ノートは、その頃だけで、5冊にもなりました」
映画を紹介する番組の『男おばさん!!』は、やがてCS放送になり、笠井さんがフリーになってからも続き、2025年に25周年を迎える長寿番組となったが、今年33月に幕を落ろした。
その後継番組として、笠井さんは、自らYouTubeチャンネル『笠井信輔のシネマスパーリング』を立ち上げた。
「もともと、僕が、映画紹介のコーナーをやりたくて、企画・プロデュースした映画コーナーのが、『シネマスパーリング』で、そこから『男おばさん!!』が生まれて、25年以上続いたんです。
だから、原点回帰で、今も、大好きな映画について、砂時計の砂が落ちるまでの5分間、語っています(実際は8分はしゃべっている)。スマホで自分で撮影しています。でも、YouTubeは登録者や再生回数をかせぐのは、容易ではありません」
もう一つ、演劇やミュージカルの紹介番組として、元フジテレビの中井美穂アナウンサー(61)と一緒に、ポッドキャスト『笠井信輔・中井美穂のエンタメノート』という番組も、今年8月に立ち上げるなど、精力的に、新たな場所で活躍している。
「やはり、きっかけはがんですね。一度、死ぬ思いで向き合ったので、今は第二の人生というか、命を返していただいて、やりたいことをやろうと思っているんです。
もともと、僕は、これだ!と思ったことには、“自ら動く”ことにしています。本当にやりたいと思ったら、自分から手を挙げるんです。
そしてあきらめない。
もう一つ、“継続する”。この2つを大切にしてきましたし。フリーになってからも、そこは変わっていませんね。
最近は、がんの闘病をテーマにした取材が多いから、好きな映画、しかも“踊る”の話ができて、ほんと今日は嬉しいな」
“踊る”の新作映画に関しては、自身の“青春”でもあったと話す。
「もう、懐かしいですよ。フジテレビも勢いのあった時代に始まってますからね。コメディとシリアスがバランスよいのも、面白い。
今回も、その“踊る”の魅力のまま、本当に楽しめます!でも、“踊る”の君塚良一さんの脚本は、実は、時代を先読みしたコンテンツなんですよね。楽しいだけじゃなく、しっかりと事件と時代と向き合っている。
『THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ』のときは、街中に設置された防犯カメラをが設置される警察が見て捜査するる設定で、当時『プライバシーの侵害だ』という感想もありました。でも、今では、『「リレー捜査』」といって防犯カメラが捜査に使われています。
今作も、AI捜査がでてくるので、これも時代の先取りになっています。そこも見どころです。そして、ぜひ、映画館で僕を見つけてください(笑)。また、僕のYouTubeチャンネルでも、“踊る”の新作について話しているので、ぜひ、そっちも見てくださいね」