難病の息子抱える43歳主婦が始めた「保護猫カフェ」に密着
先月中旬、茨城県にある動物愛護のNPO法人「しっぽのなかま」のシェルターを訪れたのは、放送作家の藤村晃子さん(43)。今月9日に神奈川県横浜市にオープンする保護猫カフェに保護するための猫をこの日、藤村さんは引き取りに来ていた。
藤村さんが本誌に登場するのは、今回が初めてではない。本誌は昨年6月、「シリーズ人間」で藤村さんを紹介している。
’15年8月に生まれた藤村さんの長男・夏海くんは「18トリソミー」という染色体異常による難病を抱えていた。医師から「1歳の誕生日を迎えられる可能性は10%」という非情な宣告を受けての育児だった。それでも1年前、本誌の取材を受けた藤村さんは「いまがいちばん幸せです」と笑顔で話していた。
ところが、昨年7月5日。
入院中だった夏海ちゃんの容体が急変。駆けつけた藤村さんの目の前で息を引き取った。18トリソミーの子どもに比較的多いとされる突然死だった。悲しみが癒えなかった藤村さん。だが、知り合いの僧侶がかけた、「お母さんが、自分の夢に向かって懸命に生きる姿こそ、息子さんにとっていちばんの供養になるんですよ」