『べっぴんさん』脚本家、OL時代に訪れたデビューの転機
「人生にはいろいろなことがあったり、起きたりして自分独りでは生きていけないんですね。ですから、周りの人たちとのかかわりや、何より本音を言える友達、心から信頼できる大事な家族−−こうした人たちと一緒に生きながら、自分にとって大事なこと、自分がやりたいと思うことを大切にして生きていく。それがすみれであり、『キアリス』のメンバーですが、紆余曲折はあっても彼女たちのような人生を貫ければすごく幸せだ、と。これが、いちばん伝えたかったことです」
こう語るのは、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の作者で、脚本を担当する渡辺千穂さん(45)。渡辺さんは’72年10月生まれで、東京都出身。両親と弟2人の5人家族で育った。ドラマ、映画……映像の世界が好きな少女だったが、将来映像の世界に身を置こうという気持ちはまったくなく、大学卒業後は「普通の会社」に就職。そんな渡辺さんに転機が訪れたのは、世紀が切り替わる’00年だった。
「(もともと)親から『本を読みなさい』と言われて、子どものころからよく読んでいました。