「四国お遍路八十八霊場」に異変、”62番目”が2つになる!?
「本堂を見てもらえばわかりますが、八十八カ所のなかでも、とりわけ小さく、しがない寺です。それなのに……どうしていいかわかりません。住職も『今は耐えるしかない』と話していました」
そう話すのは「四国遍路」の第62番札所「宝寿寺」(愛媛県四条市)の住職・渡部実厳氏の母、和子さん。弘法大師・空海ゆかりの八十八カ所の寺を巡る“四国お遍路”で、前代未聞の騒動が持ち上がっている。
「3月22日に、高松地裁で、札所寺院でつくる『四国八十八ヶ所霊場会』(以下・霊場会)が、札所の1つ、宝寿寺の住職を相手取った訴訟の判決がありました。霊場会は未払いの会費や、お遍路さんが願い事を書いた“納札”を奉納したり、御朱印をもらえたりする“納経所”の受付け時間の順守などを求めたもの。裁判所は、霊場会の訴えを退け、宝寿寺の主張どおり、霊場会からの脱会を認めました。四国八十八カ所から、寺が脱退したのは初めてのケースです」(地元紙記者)
脱退することが裁判で認められて、あらためて注目されたこの騒動。