難病の長女5年で2万枚撮り続けた写真家語る“母の使命”
てんかんや知的障害などが現れる先天性の難病「結節性硬化症に伴うウエスト症候群」を患った長女・結希ちゃん(6)のスナップを5年間で2万枚撮り続けた和田芽衣さん(34)。そのうちの30枚を選んでまとめた作品「娘(病)とともに生きていく」が、ドキュメンタリー写真家の登竜門である「名取洋之助写真賞」の激励賞に輝いた。
診断が下された日の夜の、結希ちゃんのつぶらな瞳。まだ赤ちゃんの妹をそっと抱えている幼い寝顔。プレ幼稚園の駆けっこのゴール前で、手を差し出す先生に手を伸ばしている姿。ジャンプするとびきりの笑顔。孤独な夏空……。モノクロの柔らかなトーンの作品からは、シャッターを切ったときの母親の思いが静かに伝わってくる。
審査員からは、「“命”に、見事に対峙している」と高く評価された。
芽衣さんは、’83年、横浜生まれ。大学で心理社会学を学び、大学院では医療心理学を学ぶ。’07年、埼玉医科大学国際医療センターの精神腫瘍科に、心理士として就職。’10年、芽衣さんの働く国際医療センターを研修医として訪れていた理さんと出会い、9月に入籍。