平野レミ語るあの“神回”、「CMやら出版やら大騒ぎよ~」
「これ、ちょっと切りたいよね~。ハサミ、ハサミ、ハサミじゃなかったら、包丁ある?包丁~!」
張り詰めた緊張感のなか、突然、料理愛好家・平野レミさんの甲高い声が響いた。まるで自宅で料理しているかのような調子だ。しかし、そこは4月からスタートしたNHK『ごごナマ』の生本番中のスタジオである。その名のとおり“生放送”が売りの帯番組で、レミさんは、毎週火曜の料理コーナーを担当している。だから、その瞬間もカメラは回り、放送は続いているのだ。
「あ、お肉、切りますか?」と、慌てて声をかけた島津有理子アナに、レミさんは平然と「うん。だって、デカすぎるんだもん、これ」と答えた。
事前の段取りでは、肉を切る手順は省かれていたのだろう。大慌てでスタッフが駆け寄り、包丁を手渡すと、皿の上に載ったままの牛肉に、大胆に包丁を入れた。
「今日は『秘伝・牛トマ』です」。レミさんは何事もなかったように、これから作る料理の名前を紹介すると、今度はいきなり、煮えたぎる鍋のお湯に人さし指を突っ込んで「熱っ!」。見る者をヒヤヒヤさせる彼女は、人呼んで「歩く放送事故」。