77歳“FPの母”が語る「余命宣告とリビングニーズ特約」
あなた自身が、もしくは家族が、がんで“余命宣告”を受ける日が来るかもしれない。目の前に死を突きつけられたとき、冷静ではいられないだろう。しかし“残りの時間”を知ることで、新しく開ける人生もあるという。
「余命から目を背けなかったからこそ、思い切って、長年抱いていた願いを実現できました。“死への準備”は整っています」
晴れやかな表情で語るのは、日本のファイナンシャルプランナーの草分けで、「FPの母」の異名もある小野瑛子さん(77)だ。体調不良を感じ始めた’15年3月を振り返る。
「そのころから息切れが激しくなり、7月には50キロあった体重が40キロに……。38度の熱が続いたことで病院に行くと、肺がんによって左肺の機能がほぼ100%失われていることがわかったんです。
治療の中心は放射能と抗がん剤。年齢的に手術には耐えられないため、完治は望めない状態でした」
それでも取り乱すことがなかったのは、小野さんは6歳のときに、原爆爆心地から1.5キロの場所で被爆しているからだ。