倉本聰が『やすらぎの郷』にぶち込んだ業界騒然の爆弾 後編
石坂浩二演じる主人公が、浅岡ルリ子と加賀まりこが演じる往年の大女優たちと再会するシーン。浅岡が再会を喜んで石坂に抱きつくと、加賀があきれたと天を仰ぐ。浅岡は石坂の元妻。加賀は石坂と交際していたことがある。他にも市川崑監督(享年92)との不倫関係にあったとされる有馬稲子(85)が市川チルドレンの石坂と浅岡と共演するなど、かつてなら考えられない共演が実現。時間の流れはすべてを洗い流すようだ。
第3位:フジテレビを小ばかに
「ここ(湾岸テレビ)の月九枠はさんざんで、起死回生を狙っているんでしょう。福原秀忠、キヨノブ、岡ケン。
人気タレントをずらりと並べて」(第14話より)
月9にドラマ枠を持つ湾岸テレビとは、どうみてもフジテレビのこと。倉本さんは『やすらぎの郷』の脚本を当初フジテレビに持ち込んだが、ほとんど検討されずボツにされた経緯がある。劇中では逆に菊村のもとに湾岸テレビから脚本の依頼があるが、興味がないと即断っている。テレビ朝日で実現した『やすらぎの郷』は高視聴率を記録。フジの亀山千広社長(60)退任の一因になったともいわれている。