初担当は娘を殺めた母親…42歳女性弁護士が共謀罪を問う
「大阪パブリック法律事務所」の下村忠利所長は、新人だった亀石さんの接見に、ほとんど同行していたという。
「彼女は、加害者の立場に立って気持ちを聞いていました。すると、すごく泣くんです。共感する力は大切です。ただ、裁判の尋問では泣くなと、厳重注意したこともありました」(下村所長)
ところが、法定でも、彼女の尋問の声は震え、大きな切れ長の目は涙で潤んでしまう。
「依頼人に感情移入しすぎてしまって。今なら、プロじゃないって思いますけど」(亀石さん)
弁護士2年目の’12年、大阪の老舗クラブ「NOON」の経営者が風営法違反で摘発された事件の弁護団に加わり、無罪を勝ち取ったことから、亀石さんはその名を上げる。’15年から始まった「GPS裁判」では、今年3月、亀石さんを主任弁護士とする弁護団の「GPS捜査はプライバシーの侵害にあたり、令状がなければ違法」という訴えが、最高裁でほぼ全面的に認められるという快挙を達成。
彼女は一躍、時の人となった。
亀石さんの現在のオフィス「法律事務所エクラうめだ」は、阪急梅田駅近くにある。