共謀罪に警鐘鳴らす美人弁護士、気むずかしかった幼少期
京都地裁206号法廷。パイル地のフェミニンなカットソーにベージュのロングスカート、足元はコンバースのスニーカーといういでたちの亀石倫子さん(42)。法廷で彼女の正面に座った女性検察官が、紺のパンツスーツに身を固めていただけに、彼女のカジュアルさは際立っていた。およそ“弁護士らしくない”と書くと、亀石さんは不服だろう。彼女への禁句は「らしさ」。弁護士バッジさえつけていない。
今年3月、大阪府警が捜査対象の車両に、令状なしにGPS端末を付けた捜査を、最高裁は「違法」とした。この裁判を勝ち取ったのが亀石さん。
子どものころから協調性がないと言われ、会社でも制服を着なかった。長い物に巻かれることができなかった彼女は、34歳で弁護士になって、公権力に屈せず、「自由」を守り通した。
「『らしさ』って何でしょうね(苦笑)。バッジをつけないのは、単になくしたくないから。それに、この服装にバッジは合わないでしょう」(亀石さん・以下同)
異色なのは、服装だけじゃない。弁護士になって7年、その経歴にも驚かされる。大学は法学部でさえなかった。