市川海老蔵 まおがよろこぶから…妻逝去翌日に見た涙の名演
「満員御礼を申し上げます」
東京・シアターコクーンでの主催舞台『ABKAI』は、この日も海老蔵のアナウンスで幕が開いた。
「絶景かな、絶景かな」
石川五右衛門に扮した海老蔵は名文句を発しながら、華々しく登場する。いつもと変わらない舞台に見えた。だが、観客の多くは、報道で麻央さんが亡くなったことを知っていた。この日はコミカルなシーンでも観客たちの笑い声は遠慮がちだ。
すると海老蔵が「(客が)静かだなぁ、今日は」と笑みを浮かべて言う。それにつられて観客も笑い始めた。舞台がクライマックスを迎えるころ、観客はみな大声で笑っていた。
「絶景かな、絶景かーなー」
冒頭と同じセリフを海老蔵は息が続く限り伸ばしていう。海老蔵の高笑いで幕が下りるなか、両目には涙が溜まっていた。終幕後、会見を開き海老蔵は麻央さんの逝去を伝えた。
《まおの思い元気になったらこうありたい!という気持ちを私も引き継ぎ。生きます。私では力不足ですが、私はまおの生きたかった 行いたかった事をしていきます。