今年も日本からのお客様がひっきりなしに来られます。お付き合いで食事に行くんですが、問題は息子です。毎晩1人にしておくこともできません。連れて行ってもいいのですが、仕事関係の大人たちとの会食はつまらないみたいで、いつもぶすっとしています。
今日は若い女性の編集者さんが休暇でパリにやって来たので、「どうする?一緒に行く?いっさい気を使わなくていい子だよ」と言いましたら、「じゃあ、行く」と珍しく応じてくれました。しかし、着席するなりヘッドフォンをかぶって音楽を聴き出したのです。困ったなぁ、と思っておりましたところ、編集者さんが「なに聴いてるの?」と自然に話をふりました。年が近いせいもあるのでしょうね。
そこから息子が彼女と話をしはじめたのです。これは珍しいケースです。
シメシメと思ったのもつかの間、今度は突然、話題が私に降りかかってきました。給仕さんとのフランス語のやり取りが気に入らないみたいで、「パパは本当にいつまでもフランス語が酷いんだよね。恥ずかしくてしょうがないんだよ。なんでもっと勉強しないの?ぼくには厳しいくせに自分には甘過ぎない?恥ずかしいよ」