江戸時代から続く“隅田川の花火”はなぜ今年で40周年なのか
「今年の花火が熱い理由の1つとして、日本中が注目し、全国のコンクールで入賞した一流の花火師たちが腕を競い合う『隅田川花火大会』が40回という節目の大会であることが挙げられます」
こう話すのは、『花火の事典』(東京堂出版)の著書がある東京大学の新井充教授。2万発以上の大輪の花火が大都会の夜空に輝く「隅田川花火大会」(7月29日東京都台東区)。東京の夏の風物詩がこの夏、第40回のアニバーサリー・イヤーを迎えるーー。と、ここで「えっ、たった40回!?」と疑問に思った人は、かなりのツウかもしれない。新井先生が解説する。
「現在の名称である『隅田川花火大会』が始まったのが’78年。その前身として『両国の川開き』という名称の花火大会が隅田川で行われていましたが、河川の汚染問題や交通混雑によって、’61年から中断していたのです。17年ぶりに再開されたのは、水質浄化に努めた当時の美濃部亮吉都知事の鶴のひと言によって。
かつての打上げ場所は両国橋付近でしたが、さらに上流にし、打上げ会場も2カ所に増やして、多くの人が見られるように復活させたのです」
隅田川の花火大会は江戸時代から400年近く続いている、日本で最古の花火大会だ。