久野綾希子『リトル・ダンサー』ミュージカル版への自信
「このミュージカルを初めて見たのはブロードウエーでした。人気があって、2階席しか取れなくて。それでもすごく感動したのを覚えています。少年のパワーと、彼のために手を貸す周囲の大人たちの愛情に心を打たれたんです。なによりもビリー役の子の迫力あるダンスに感動して、涙が止まらなかった」
そう話すのは、女優の久野綾希子(66)。’00年の大ヒット映画『リトル・ダンサー』のミュージカル版『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が、日本で初めて上演される。さびれた炭鉱の町で生まれ育った少年ビリーが、まだまだバレエは女の子のものと思われていた時代に、バレエダンサーを目指す成長物語。主人公ビリーの祖母を演じるのが彼女だ。
「好きな道を邁進しているうち協力者が現れ、猛反対していたお父さんもやがて理解を示します。私が演じるおばあちゃんは、孫の才能と熱意を認め、名門ロイヤル・バレエ・スクールに進むことに悩む彼の背中をそっと押す役どころ。実は亡き夫がダンスが上手で、2人で踊る時間が好きだったからなのね」
恵まれない環境で、純粋な思いだけを頼りにわが道を切り開き、夢をかなえていくサクセスストーリーは、なんと実話。