2階にある店内に入った瞬間、視界に飛び込んでくる茶器の数々。
そう、ここは茶器からお茶を楽しむことができるカフェなのだ。
器は店長の小林さんがずっと集めてきたもので、メインは作家さんのもの。中には海外の人の作品もある。
その数、500個以上。
「器のどこに惹かれるんですか?」と訊ねたら
「表面的な綺麗さより芯のある美しさ」という、通すぎるお答えを頂いた。
何はともあれ、わたしも器を楽しんでみよう。
わたしが頼んだのは「かぶせ緑茶“ごこう”」。
1週間前後シートをかぶせて日光を遮ることで渋みを抑え旨みを引き出したものを「かぶせ緑茶」と呼ぶそうだ。一煎目は60度というぬるめの温度でちょっとだけを楽しむ。
お茶を淹れるときは最後の一滴まで逃さず。
いざ飲んでみると、香りとともにぶわっと広がる旨み。
まるで上等なお出汁のようだ。だてにシートかぶせてない……!
二煎目になるとお茶の温度も淹れる時間も量も変わるため、器も別のものに。
見た目で全く印象が変わる。