自己破産者も急増…銀行カードローンの高利息を専門家が解説
「’16年、自己破産件数は13年ぶりに増加して、約6万5,000件ありました(最高裁判所調べ)。借金の原因は遊興費の使いすぎを想像しがちですが、最近は違います。金融庁の調査でも、銀行カードローンの利用目的は“生活費の補てん”が41.8%で最多、次いで“クレジットカードの支払いを補てん”が24.9%と続いています(’17年3月に発表)」
そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。たとえば、リストラや病気などで、一家の大黒柱が職を失う。親の介護が始まり、妻がパートをやめざるをえなくなる。そうした状況で困窮し、借金をする人が増えているのだと荻原さんは言う。
「以前、個人がお金を借りる先は消費者金融が中心でした。しかし、多重債務が問題になり、’10年6月には改正貸金業法が施行。
年収の3分の1を超える融資を禁じる『総量規制』などが始まり、消費者金融は衰退しました。ところが、当時、融資額の少なかった銀行カードローンは、総量規制の適用を免れたのです。その後、マイナス金利政策などを受け、銀行は厳しい局面を迎えています。