沖縄遺族代表女性、天皇皇后両陛下に4回お会いした思い出
なぜ、もっと早く沖縄に来てくださらなかったの?という思いが急に湧き上がってきて……」
涙が止まらない彼女に、陛下は、さらに優しくお尋ねになった。
「(沖縄遺族連合会の)青年部長をなさっておられますね。今、何をなさっていますか?」
それでようやく落ち着いた。
「遺骨収集を頑張っております」
その日、照屋さんは、ツルさんが眠るお墓に行き、手を合わせた。
「お母さん、今日、天皇陛下からお言葉をいただいたよ。お母さんがいただくべきだったのにね。私がいただいたよ。本当に大変だったね。
私をこんなに大きく育ててくれて、お母さん、ありがとう……」
それから19年後の平成24(’12)年、沖縄県遺族連合会の会長になっていた照屋さんは、冒頭で紹介した場所で、両陛下をお迎えした。
「雨がザーザー降っていて。お待ちする間、晴れればいいのになぁと、空を見上げていたのを覚えています」
雨がやむ気配もなく、県職員も「今日はお声がけはないです」