沖縄遺族代表女性、天皇皇后両陛下に4回お会いした思い出
と、言っていた。ところが、慰霊を終えると雨のなか、陛下のほうからお声をかけてくださった。照屋さんが一歩前に進み出て、頭を下げ、挨拶すると、陛下は穏やかな笑みを浮かべ、「ああ、照屋さんね」と、お隣を歩く美智子さまに二言三言、ささやかれた。美智子さまも、「照屋さんね。前にもお会いしましたね。覚えていますよ」と、ほほ笑みながらおっしゃった。
最後に、陛下が照屋さんに「(遺族の皆さんも)お年を召されているでしょうから、どうかよろしく」と、おっしゃったとき、母のことを思ったときとは違う涙がこぼれてきた。
「遺族の1人として、私は頑張らなければと、陛下のお言葉が胸に迫ってきてね……」
両陛下は、照屋さんと同世代にあたられる。
戦争を体験し、強く平和を願いながら、共に年を重ねた世代だ。
「両陛下はずっとお変わりなく、沖縄に心を寄せ、慰霊を続けられ、尽力されてね……。いまはもう感謝しかないです」