くらし情報『野際陽子さん四十九日で長女語った「最期の病室と涙のハグ」』

野際陽子さん四十九日で長女語った「最期の病室と涙のハグ」

 

しかし、がんは次第に身体をむしばんでいく。そして17年5月、肺炎を併発して入院してしまったのだ。野際さんはドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)に出演していたが、なんと入院の前日まで撮影に臨んでいたという。

「正直、私は何度も『仕事をもう少し休んでほしい……』と訴えてきました。京都での撮影を控えていたときには、『京都まで行くのは心配すぎる。行かないわけにはいかないの?』と食い下がりました。母はそのたびに『うん、うん』と静かに聞いていました。でも結局、最後には『やっぱり、一度受けたお仕事だからね……』と言って撮影に向かうんです」

入院後も野際さんは強かった。
冗談を言っては、いつも周囲を明るくしてくれていた。病室にはいつも支えてくれる人たちがいて、一進一退の日々が続いた。そんなある日、真瀬と野際さんが二人きりになったときがあった。

「亡くなる1週間ほど前でしょうか。病室で母と私だけになったんです。私はベッドに腰かけて、母の横に寄り添っていました。そうしたら母が何も言わず、私の頭を肩にギュッと引き寄せ抱きしめてきて。

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