10月文京区で開始…“こども宅食”で見守る貧困家庭の実情
「訪問先はまるでゴミ屋敷。その家の3歳の長男がしきりに耳を気にするので確認すると、なんと耳の中にゴキブリがいたというんです。私は役所の担当者にその話を聞いて、先進国の日本でそんな目にあっている子が本当にいるのかと衝撃を受けると同時に“子どもの貧困”をなくすために何かをしなくては、そう真剣に考えるようになりました」
こう話すのは認定NPO法人フローレンスの代表理事・駒崎弘樹さん。貧困世帯の子どもたちに直接食料を届けるという全国初の試み「こども宅食」。フローレンスのほか、東京都文京区などが協働して取り組む。ほかにも食品を提供する企業など多くの団体の協力を得るほか、運営資金はふるさと納税でまかなうという。今年10月、最初の食料が文京区内の150の貧困世帯に届けられる。
厚生労働省が6月に発表した日本の子どもの貧困率は13.9%。
じつに7人に1人という深刻な数字で、文京区でも約1,000世帯が貧困状態にあるとされる。さらに深刻なのがひとり親家庭で、その貧困率は5割に及ぶ。
「そんな子どもたちを救おうと昨今、全国で子ども向け無料食堂が開設されています。