くらし情報『映画作家・大林宣彦語る映画の魅力「何年かけても平和作れる」』

映画作家・大林宣彦語る映画の魅力「何年かけても平和作れる」

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「僕は戦争映画でカタルシス(鬱屈した気持ちが浄化されること)を描いてはいけないと思っています。カタルシスというのは不幸なことでも悲しいことでも、それに埋没してしまうとある種、気持ちがいいという状況になる。映画にはそもそも、そのカタルシスが濃厚にあるんです。だから非常に危険。反戦映画を撮っていても、結果的には好戦映画になってしまう恐れがあるんです。昨今、そういう戦争映画が多いんです。主題歌が流れるなか、かっこよく敬礼して大空に飛び立ち、敵艦に突入していく。ああ、次にこの国に何かあれば、僕だってそうするぞ、そういうカタルシスを生んでしまう。
映画にはそういう怖い力もあるんです」

映画作家の大林宣彦さん(79)は、『転校生』をはじめとした“尾道三部作”など、名作の数々でみずみずしい感性をフィルムに焼き付けてきた。リハビリ療養中ということで杖こそ突いていたが、病気の前と変わらない、柔らかい口調で語り始めた。

大林さんにがんが見つかったのは、壇一雄の小説を原作とする新作映画『花筐/HANAGATAMI』(12月16日公開)

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