杉本彩×『しっぽの声』夏緑が語り合う「日本の動物問題」
夏緑(漫画原作者以下、夏)「『しっぽの声』は編集長からあらかじめ、『これはストーリーや描写もかなりハードな作品だから、つらすぎて読めない人もいるかも。売れないかもしれないけれど、ごめんなさい』と、言われていたので、心配してました」
杉本彩(女優・49以下、杉本)「そうでしたね。飼育放棄のために飢えた犬たちが共食いをしたり、自分の前足を食べてしまったりなど、残酷なシーンも多いですけれど、それが現実ですから、あえてソフトにする必要もないと思います。読者の皆さんが、目を背けずに動物たちの叫びを真摯に受け止めてくださっているのは本当にうれしいですよね」
ネコノミクスなど、いまもペットブームのさめやらぬ日本。特にペットショップで販売されている子猫の価格は高騰しており、希少種になると100万円以上の値がつくという。だがその陰で、売り物にならなかったり、売れ残ったりした犬や猫たちは人知れず処分されている。
そうした愛玩動物たちの現実を生々しく描いて話題を呼んでいるのが漫画『しっぽの声』(小学館『ビッグコミックオリジナル』連載中)