【韓ドラの凄ワザ!】『師任堂、色の日記』の出来について
再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く!
【第20回】『師任堂、色の日記』ーーイ・ヨンエの新作、その価値と出来について
13年ぶりのイ・ヨンエの主演作『師任堂、色の日記』は、最近になって地上波BS放送とレンタルで、やっと一般的に視聴できるようになった。事前の情報通り、現在と歴史上の役柄がパラレルになった凝った設定になっているが、家庭を持っている主婦の、単なる美術講師から教授になるまでのサクセスストーリー的な内容であれば、おそらくイ・ヨンエがこの役を受ける可能性はなかっただろう。これまで積み上げてきたキャリアに付け加わるものは何もないからだ。
実際、イ・ヨンエに限らず、40代半ばの女優を主役にするのにふさわしい設定は現代劇ではなかなかあるものではない。かといって、いまさら単なる長編時代劇では、何のために、『チャングムの誓い』の続編の出演を拒んできたのかわからない。