伊達公子「ぽろっと涙を…」恩師が明かした“挑戦の軌跡”
「短パンはいて髪はショートカット、すごいスピードで走り回るので、私は男の子だと勘違いしたんです。彼女の高校の監督に『小柄だけど、足がピカイチの男子が入りましたね。将来、有望ですよ』と言ったら、『いや、あれは伊達公子という女の子ですよ』って(笑)」
高校1年生の伊達公子(46)と初めて会ったときのことを懐かしそうに振り返るのは、彼女の恩師・小浦猛志さん(74)だ。8月28日にブログでプロテニス選手引退を表明した伊達。小浦さんは彼女がジュニア時代に出会い、後にコーチを就任。長年、彼女をサポートしてきた。高校2年生で初出場した全日本選手権でのエピソードも、とても印象深いという。
「予選から出たのに、あっというまにベスト4まで勝ち上がりました。
でも、いよいよ明日は準決勝というのに、やる気を失っていた。彼女に『もう、お前はベスト4でお腹いっぱいなんやろ?』と言うと、頷きながらぽろっと涙を流したんです。まだ高2でいきなりの全日本ベスト4ですからーー。そのときは負けましたが、4年後にきっちり優勝しました」
高校卒業後、プロデビューを果たした伊達は、またたくまに世界的なテニス選手へと駆け上がっていく。