「がんのママをささえ隊」女性医師 企画のきっかけは後輩の死
「ウィッグがこんなに暑いなんて。帽子みたいにパッと取っちゃって、うちわであおぎたい~」
「でも幼稚園でいきなりウィッグをはずしたら、ほかのママたちが驚くだろうなぁ」
身ぶり手ぶりを交えながらの会話に、さざ波のような笑い声が重なる。スチール製の丸いすに座り「ウィッグ」を話題に盛り上がるのは、30代や40代の若さで乳がんを発症したママたちだ。全員、抗がん剤の副作用で脱毛を経験した。そんなママたちを穏やかに見つめるのは金城舞さん(38)。福岡県内の大学病院に勤務する乳腺外科医だ。
「今、女性の11人に1人が乳がんになるといわれています。そのなかで最近増えているのが、子育て中の若いママなんです」(金城さん・以下同)
金城さん自身も8歳の息子と5歳の娘を持つママ。
だから、母親の患者ならではの不安はよくわかる。家事や育児をどうするか。病気のことを子どもにどう伝えたらいいんだろう。もし、自分に万が一のことがあったら――。
「ママたちの不安を安心に、涙を笑顔に変えたい」
昨年10月、金城さんはNPO法人「がんのママをささえ隊ETERNAL BRIDGE」